13 心配性 ページ14
『あれ...』
また、始業式の日に見た、不思議な夢の中にいた。
恐ろしいほどきれいなブルーの空、
光が反射する水面、
振り返ると広がる草原。
ただ、あの日と違ったのは、
私がボートに乗っているってこと。
風で水面が揺れて、
この前みたいに帽子が飛んだ。
「飛んでる」
『え？』
ふ、っと頭に優しい感覚、
帽子が戻ってきた。
「案外ぼーっとしてるんだね」
『、せんせ、』
軽やかに、私の乗っているボートに降り立った。
「ん？」
櫻井先生の香りがした。
優しい、さわやかな香りが。
「ほら、そろそろ起きて」
『、』
ぱち、っと目が覚めた。
うっわ！って櫻井先生の声。
保健室の天井が見えた。
『せんせ...？』
「ビックリした、急に目が開いたから...」
心臓に悪ぃ、って先生の口調が崩れてる。
それがおかしくって、
笑いながら体を起こすと、
窓からは夕焼け空が見えた。
なんてきれいなんだろう、
夕焼けは、なんだか見ていると心が揺さぶられる。
「松本？」
『っあ、はい』
先生のことを忘れていたのを思い出して、
ハッとして、先生のほうを向いた。
「大丈夫？何回か氷変えたんだけど」
『すみません、大丈夫です』
「ならよかった」
安心したように、先生が笑った。
お兄ちゃんで、イケメンに対する免疫はついてるから真顔のままいられるけど、
先生、すっごくかっこいい。
なんて言ったらいいんだろう、
なんか、母性本能くすぐられる、みたいな。
『ご心配、おかけしました』
「全然、あ、そーいや帰りどーすんの？送ってこうか？」
『大丈夫です、家に電話します』
「そっか、」
これ荷物ね、って先生がかばんを足元から持ち上げた。
たぶん、杏菜が持ってきてくれたんだと思うの。
先生は、ベットの近くにある椅子に座って、
外ポケットに入っていたスマートフォンを私に渡した。
「今ここで掛けて、」
『はぁい』
心配性なんだろうな、とおもう。
うちのお兄ちゃんや、雅紀くんとかにも言われるけど、
私は妹体質らしい。
そういわれるのが嫌だから学校ではきちんと話してるし、
先生にもそうしたつもりだったんだけどな...。
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あきんこ(プロフ) - ゆかりさん» 先生照れちゃいますよ(笑)いつも見ていただいて嬉しい限りです。 (2018年9月12日 17時) (
レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 櫻井先生大好きです (2018年9月12日 10時) (レス) id: 8447f08366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2018年9月5日 19時
