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「ん、あ」
それを見ていた櫻井先生が思いついたらしくて、
ごそごそと、ポケットに手を突っ込んで、
「これで包みましょう」
ハンカチを、1枚取り出した。
「それいいわね」
『え、いえ、私もハンカチくらい持ってますから』
「もう出したし」
はなから聞く気はなかったかのように、
こっちね？って氷の入った袋を、自分のハンカチで包んで、
優しく、私の頭にのせた。
何！
『自分で持てますから』
「え〜」
え〜って、何！
教室に行く、と起き上がったら、
「あら♡」
『ちょ、先生違うの』
「いいじゃない♡しっかりした松本さんが先生の腕の中でおどおどしてるのとっても面白いわ♡」
『全然違う！』
クスクス、と笑って部屋から出て行っちゃった、
櫻井先生と二人っきりで、気まずい。
「仲いいんだ」
『え、...まぁ、そうですね』
「で、さっきのだけど、」
そうだ、先生が茶化したせいで一番大事なことが頭から抜けてた。
今の私は、先生に言い方を気にせずに言わせていただくと、
押し倒されかけてる。
近すぎるから、顔が全部視界に入りきらなくて、
それが恥ずかしくて、下を向いていたら、
「無理しないで、ゆっくり休んでからおいで」
『っえ？』
「帰りは、そうだね、お兄さんでも呼ぼうか。」
『おにーちゃん...』
優しいお兄ちゃんだから、絶対迎えに来てくれる。
あ、でも今日は、
『大丈夫です、自分で帰れますから』
婚約者と、会う約束が入っていたはず。
コトハさん、お兄ちゃんと並んでも引けを取らないほどの美女。
だけど、あの人の美しさは、作られたもの。
外見と中身が伴っていないもの。
心から美しかったら、あんなこと、将来の妹に向かって言わない。
「授業終わるまでここにいるように」
泣きそう、って先生が笑った。
「寝て、全部忘れなさい」
魔法でも使ったのかな、
体の力が、ずるずる抜けていくの。
『せん、せ...』
「おやすみ」
先生の、大きい手が、おでこにのった感覚がしたのを最後に、
意識が落ちた。
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あきんこ(プロフ) - ゆかりさん» 先生照れちゃいますよ(笑)いつも見ていただいて嬉しい限りです。 (2018年9月12日 17時) (
レス) id: 11450d0470 (このIDを非表示/違反報告)
ゆかり - 櫻井先生大好きです (2018年9月12日 10時) (レス) id: 8447f08366 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あきんこ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php?t=akinko0125
作成日時：2018年9月5日 19時
