【男主】余 所 見 す ん な 。【栗花落カナヲ】

最終話 ページ43

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「なあ、もう良いのか...？理由なんか無くても、カナヲを抱き締めて良いのか...？好きだって、伝えて良いのか...？」






カナヲが俺の背中に手をまわした。

その行為は、肯定と言っているようなものだった。

ああ、神様。こんなに人を好きになって良いんでしょうか。彼女に、溺れても良いんでしょうか。






「好きだ...、好きだ、好きだ...！」

「うん、...。私も、好き...」






体を離し、彼女の目を捉える。









やっと、想いが繋がった。






「やっと、こっち見た...」


ニッと笑うと、俺の大好きな笑顔で笑い返してくれた。





───あれだけ考えて、









あれだけ親友にみっともない姿を見せて、









あれだけ辛い思いをして、









一人の女の子を泣かせて。









それで、手に入ったのは彼女の笑顔一つ。









ほんっと、....割に合わないよな。




俺は、カナヲの頬を両手で優しく包み、綺麗な形をした彼女の唇に、そっと口付けした。


「えっ...」




突然の事で一気に顔を赤く染めるカナヲが、本当に愛らしい。

俺は、カナヲの耳元に口を近付け、こう囁いた。














「もう、余所見すんなよ？」







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END




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☆幸くん、ヘタレどこいった──！

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