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ぶつかる....!
すると、直後に唇に柔らかい感触。
それが、キスだと分かるのに時間は要らなかった。
え!?は!?とりあえずヤバい!
唇を離そうとするが、カナヲが俺をぎゅっと強く抱き締める。
え、てかこれ立場逆じゃね?
何で俺やられてる立場なの?
俺の初めてが....って今はそんな事どうでもいいっ!!
「か、なを!!」
カナヲの肩を押し、やっと俺から離す。
はぁ、はぁ、と荒い息をしながら泣いているカナヲを見つめた。
「カナヲ、どうしていきなり....」
カナヲは自分の顔を手でおおい、しゃくりあげるように泣き続ける。
「嫌だ、嫌だよ....何で....」
もう、どうすれば良いか分からなかった。
女の子を泣かすのも初めてだし、女の子を慰めようとするのも初めてだ。
沈黙が続く中、カナヲがやっと口を開く。
「何で、そんな平然としてられるの...?」
「へっ平然となんてしてないよ..?むしろめっちゃパニックなんだけども...」
「....嘘つき...」
え、ええ...?俺はどうすれば...?
困惑していると、カナヲが俺の胸に顔を埋めてきた。
いきなりだったので不意を突かれ、重さに耐えきれず 二人してその場に座り込んだ。
「ねぇ、カナヲ...。何でいきなりキスなんてしたの...?」
「.....分かんない....」
小さくも、ちゃんと聞こえる声ではっきりと言った。
分かんない、か.....。
少し残念。
どうせなら、「幸のことが好きだから...」的なことを言ってほしかった。
って、そんな考え、やましい!!!
泣いてる子に向かってそんな事を思うなんて...不純だ。
ふぅーと深呼吸してから、カナヲの顔を覗きこんでから言った。
「カナヲ、もう夜遅いし...そろそろ家に戻ろう?さっきのことは、お互い忘れ」
言い終わる前に、カナヲは俺の肩をガッと固定し、呆然としてる俺の唇に再度口づけした。
さっきの優しい口づけとは違い、噛みつくような、荒いもの。
しかも、今度は俺の口の中に舌を入れて、深いキスへと変わる。
息が苦しくなる。
けど、なんだろう。やめてほしくない。
あれ?本当に俺男だっけ。何で女の子にこんなことされてるんだろう...。
やっと唇が離れた。すると、
「.....絶対、忘れないで」
そう言ったカナヲは、色っぽくて、とても綺麗だった。
「...は、はい..」
自分の性別を疑った今日この頃
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天の川(プロフ) - 5回目以上の読み返し。はぁ…最高すぎるわ…てか主さん主さん!カナヲは僕の嫁ですよ!!(真剣)(笑) (2022年2月28日 13時) (レス) id: 2d6957fece (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - うわあカナヲちゃん好きなので最高です!! (2020年8月14日 18時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
レイン - 遅くなりましたが完結おめでとうございます!!幸くんの最後の台詞にやられました!幸くん、男前やん。もうものすごいにやにやしてましたw気持ち悪いぐらいにwお疲れ様です! (2020年5月28日 12時) (レス) id: 05e6c43b69 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃんちゃんこ - お疲れ様です!別垢見つけたら絶対に作品見ます!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: cf6601d86b (このIDを非表示/違反報告)
かたつむり。(?)(プロフ) - 宙さん» 暖かいコメント、ありがとうございます‥‥。叩かれる覚悟で言ったのに、そんな優しい言葉をかけてくださり、本当にありがとうございます‥‥!涙出ます‥‥! (2020年4月27日 22時) (レス) id: 40246c291e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かたつむり。(?) | 作成日時:2019年12月22日 8時