【男主】余 所 見 す ん な 。【栗花落カナヲ】

１７余所見 ページ20

幸side

実は、あれから何度か美琴さんに相談に乗ってもらっていた。

もちろん、カナヲのことについて。

そのお陰で、とうとう決心がついた。

今日こそは、想いを告げる、と。

変に長引くと、それこそ機会が無くなっちゃうから、という美琴さんのアドバイスを元に考えた結果がこれ。

早速カナヲの居そうな縁側に向かうと、案の定、そこにカナヲは居た、が。

隣には、炭治郎の姿がある。

少しだけ、いや、かなり、胸がズキッと痛む。


それでも、行くしか無い。

微かに震える足を動かし、カナヲの元に向かう。

「お、カナヲと炭治郎。何話してんのー？」

俺がそう聞くと、少し誤魔化された返答が返ってくる。

嘘つき


「カナヲ、ちょっと話がある。こっち来て？」

「わ、分かった。」

炭治郎を残して俺達は、人の居ない所に行く。

そろそろ良いかな、と足を止め、カナヲに向き直ると、少し体がビクッと震えたのが分かった。

「怖い？」

そう訪ねると、

「...ちょっとだけ」

そう返ってきた。

何が怖いのかは分からないが、どっちにしたって怖がらせてしまったことに申し訳なさを感じた。

「ふー..」

深いため息を吐く。

何年間か分からない。けど、長い長い俺の恋が、もしかしたら終わってしまうかもしれない。

それでも、良い。


当たって砕けろ。

「ねぇ、カナヲ───」

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