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17話 ページ19

来栖side




次の日、俺はポアロへ向かっていた。




まだ開店前で、そこには降谷くんしか居なかった。




「おはようございます」




『あぁ。もうすぐだな。』




「ええ。」




今日、毛利小五郎が逮捕される。




我々によって。




『あの坊やに何て言われるかな』




「少なからず疑ってくるでしょうね。」




『あぁ。でも、』




これしかないんだ。




僕等は視線を交わす。




「分かってます。」




安室さんが淹れてくれたコーヒーを飲みながら、その時を待つ。




『来たな。』




「そうみたいですね。」




そして、安室さんはホウキとチリトリをもって外へ出ていった。




坊やは彼にスマホの画面を見せている。




それに背を向け、彼はこう言った。




「僕には、命を懸けて守らなければならないものがあるからさ。」




その目には、確かに使命が宿っていた。




カラン、とドアの閉まる音が響き、ふと目をやると、




ガラス越しに坊やと目が合った。




彼は一瞬驚いた様な顔をしたが、すぐにこちらを睨んできた。




俺は、すぐに視線を外した。









『羽場一二三』




坊やのスマホから聞こえてくる名前を復唱する。




この映像は、風見くんがインストールしたアプリからのものだ。




廃ビルの一室に似合わない、まだ新しい革靴に視線を変える。




そろそろ降谷くんたちは、2291 を投入した頃だろうか。




『行くか。』




俺はイヤホンを外し、部屋を出た。




あの坊やに会う為に。









毛利探偵事務所の前に車を停めると、階段から坊やが降りてくる所だった。




向こうはすぐにこちらに気が付き、睨みながら近寄ってきた。




『何しに来たの?』




「君に会いに来た、と言ったら?」




『やっぱり藍沢さんも一枚噛んでたんだね。』




「どういう意味だい?」




『藍沢さんも怪我してる。安室さんたちみたいに。』




『爆発現場に居たんでしょ?』




「君には1つ忠告をしておく。」




『質問に答えろ...!』




「下手な動きはしない方がいい。」




俺はそれだけ言い、車を発進させた。









これは、厄介な事になりそうだ。

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作者名:Autumn | 作成日時:2019年6月23日 16時

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