JUMPの闘病生活。 (ページ6)

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僕たちはページ6

侑李サイド

大ちゃん先生が帰ったあと、僕はどうしていいかわからなかったから、涼介のベッドの隣に座った。

大ちゃん先生は、最後まで明るく振る舞っていた。

でも、ときどき悲しそうな目をしていた。

初めて見た、大ちゃん先生の弱い姿だった。

侑李「ねぇ、涼介」

涼介「なに？」

いつもより低いその声が、涼介もなにかを思っていること、思考を巡らせていることを語っていた。

侑李「僕たちは、死なないようにしなくちゃだね」

涼介「そうだな。俺たちは頑張って生きような」

侑李「うん。あのさ、手、まだ痛い？」

涼介「……もう、大丈夫。平気だよ」

ほんとはまだ痛いくせに。強がらないでよ。

心で思ったその言葉は、言わないでおいた。

侑李「そっか。僕、心配してたんだよ？それに、怖かった」

涼介「ごめんな」

侑李「もっと生きたい、涼介と一緒に」

涼介「俺も、二人で大人になりたい」

貧血で倒れることだって多いし、だるいし、熱が出るときもある。

でも、こんな状態でも〝生きたい〟って思う。

死にたくない、ずっと生きていたい。

そう思えるのは、いろんな死を見てきたから。

友達が死んでいくのを、何度も見てきたから。

残された側の悲しみも、絶望も、僕たちは知っているから。

次は、僕かもしれない。涼介かもしれない。

いつだって、死はとなりにあるんだ。

だから、白血病の症状だとわかっていても、不安になる。

だから、強いふりをしてしまう。

そうしてないと、自分の弱さが症状として体に出てしまうから。

涼介「俺は、侑李より先には死なないから」

侑李「なにそれ。僕だって、涼介より先には死なないよ？」

涼介「勝負だな」

侑李「……うん、そうだね」

―――――――――勝負だな

ねぇ、涼介。

涼介はそう言ったけど、ほんとはそうじゃないんでしょ？

僕には悲しい思いをさせないって、遠回しにそう言ってくれたんでしょ？

相棒を失って悲しい思いをするのは、自分でいいって。

それくらい、わかるよ。僕たち、ずっと一緒なんだからね。

だから僕も、言ってやったんだ。

涼介よりも先には死なないってね。

悲しい思いは、僕がするって。

でも――――――――

涼介「侑李、俺、幸せだよ。侑李がいてくれるから。あのさ、こんなこと言いたくないけど、死ぬときは笑って死のうな」

侑李「うん」

でも、ほんとは先に死にたいんだ。

最後は、そばにいてほしい。看取ってほしい。

そうでしょ？涼介。

強がらないで。