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新しい仲間! ページ36

涼介サイド

以前に比べて大分小さくなったセミの声が、俺に朝であることを告げる。

目を覚ました俺は「ふぁーっ」と大きなあくびをしてから、目を軽くこする。

侑李「まぁだぁ、……ねむぅいぃー」

隣のベッドから高い声が聞こえてきてベッドを見ると、侑李は布団の中で丸まって、ゴソゴソと動いていた。

侑李「セミうるっさい!」

侑李は布団をバッとどけて、ご機嫌ななめなお顔をした。

あら、可愛らしい。

涼介「ゆうりぃ、朝からそんなおっきい声出さないでよ」

侑李「セミうるっさい!」

涼介「はいはい、それさっきも聞いたから」

侑李「もういや!早く夏終われ!寝れない!」

涼介「そんなこと言ったからって夏は終わらないから。自然に終わるでしょ?」

圭人「もー、なにぃ? どしたの?」

侑李がうるさいから、圭人が起きちゃったじゃないか。

侑李「あっ! けーと、ごめんね」

圭人「別にいいよ」

圭人は相変わらず、優しいっすね!

圭人「2人とも、いつもこんな早くに起きてるの?」

時計の針は、6時50分を指している。

涼介「まあね、だいたい7時くらいだから。今日はちょっと早いかもね」

侑李「ちょっとじゃない! 10分はおっきいの!」

今日はご機嫌ななめですねぇ、可愛い侑李ちゃんは。

侑李「ふぁーっ………ふあー」

さっきまでいろいろ怒ってたのに、今度は大きなあくびを繰り返している。

圭人「侑李って可愛いよね。癒し系男子」

侑李「そお?……ふぁりあと」

あくびしながら話してるから、「ありがと」が「ふぁりあと」になっている。

まあ、俺は聞き取れるけどね!

圭人「やっぱりかわいい」

涼介「侑李はね、たまに甘えてくるから。かわいいよ! 朝の4時くらいに起こすと、ふわふわしてるから」

圭人「へぇ、見てみたい! 明日起こしてみる?」

侑李「やめて!……くだ、さい」

圭人「冗談だよ、やんないって。俺だって朝早くに起きたくないもん」

侑李「だよね、だよね! そーだよね?」

必死に睡眠時間を確保しようとしてるのが、すごくかわいい。

圭人「そうだよ。……ありがとね」

なんで、ありがとうって言うんだろう?

俺達は、なにもしてないのに。

侑李は、一瞬口を開けてポカンとしたけど、すぐに笑って「どういたしまして」と言った。

俺も「どーいたしまして」と言ってから、「こちらこそ、ありがとう」と言った。

すると、圭人は笑った。

俺は、ただただ圭人の言ったありがとうの意味を、必死に考えていた。

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作者名:J | 作成日時:2020年3月15日 20時

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