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新しい仲間! ページ34

侑李サイド

薮ちゃん先生に連れられて、僕たちの病室に入院することになった男の子がペコリとおじぎをした。

「こんにちは、岡本圭人です。圭人って呼んでください。これから、よろしくお願いします」

僕たちと同い年の圭人。

第一印象は、しっかりしてそうで、すこぶる良かった。

侑李「よろしくね」

涼介「よろしく」

僕と涼介が同時にそう言って、「よろしく」の部分がハモってしまった。

すると、圭人は笑って「息ぴったりだね」と言ってくれた。

薮先生「こっちのちっちゃいのが侑李で、そっちの侑李よりちょっとおっきい方が涼介」

侑李「ちっちゃくない! ちゃんと身長伸びてるもん、じわじわと! まだ成長期がきてないだけだもん!」

僕の一生懸命な反論を、涼介がニヤつきながら見てくる。

侑李「なんだよぉ。涼介だって、僕よりちょっと、ほんのちょーっとおっきいだけじゃん!」

涼介「はいはい、ごめんなさいね。そうですねー」

勝者の余裕を見せつけてくる涼介をにらむと、「わわっ、ごめんって」と反省してくれた。

圭人「侑李くんも涼介くんも、平均身長くらいだと思うよ?」

なんて優しい子なんだ。

涼介もキラキラとした眼差しで、圭人を見ている。

なんだよ、その僕には一度もむけたことのない輝きを放つ眼は。

薮ちゃん先生「はいはい、ふたりとも喧嘩しちゃダメよ。圭人くんが困っちゃうでしょ? まあ、みんなで仲良くやってね」

僕たち3人は「はーい」と返事をする。

ていうか、そもそも僕をちっちゃいとか言ったの、薮ちゃん先生じゃん。

薮ちゃん先生は、大ちゃん先生とは違って、そーっと扉を閉めた。

涼介「涼介、でいいよ?」

侑李「侑李でいいよ!」

涼介とは被らないように、涼介が言い終わってから、僕もそう言った。

圭人「うん! わかった」

涼介「あのさ、圭人も血液の病気?」

圭人「うん、慢性骨髄性白血病。2人は?」

涼介「俺たちも圭人と同じ病気」

圭人「そっかぁ。治るといいね」

なんで、治るといいね、なの?

圭人は、治したいって思ってないのかな。

侑李「一緒に治そうね、じゃなくて?」

僕は、少し笑いながら、優しく言った。

圭人「あっ、そうだね。一緒に治そうね、だよね」

涼介「みんな治ったらさ、公園とか、ゲームセンターとか行ってさ、遊びまくろうよ」

圭人「そうだね」

みんな治ったら。

誰か1人が治らなかったら、遊ばない。

僕たちが病気だからこそ、普通の子達にはない、強い絆がうまれるんだ。

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作者名:J | 作成日時:2020年3月15日 20時

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