JUMPの闘病生活。 (ページ18)

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母親の記憶ページ18

涼介サイド

――――ずっと一緒にいてね。

そう言ったのは、お母さんだったのに。

俺は、泣きながら目が覚めた。

目が覚めても、母親の記憶を次々と思い出した。

夢の中の出来事は、きっとほんとのことで。

それがきっかけになって、今まで思い出せなかった記憶が、どんどん蘇ってきた。

思い出さなかった方が、良かったかもしれない。

幸せな記憶だったのは、最初だけだったのだから。

途中から、お母さんは変わっていった。

記憶のなかの俺は、侑李は、明らかに虐待を受けていた。

何度も叩かれて、何度も蹴られていた。

その度に泣いて、謝っていた。

―――――――ふたりとも好きだよ

その言葉は、嘘だったの？

抱きしめてくれたのは、偽りの愛情だったの？

信じられないよ。

そんな簡単に、裏切られるの？

俺は声を押し殺して泣いた。

侑李と裕翔を起こさないように。

なんとか気持ちを落ち着かせようと、深呼吸をした。

侑李「りょお、すけ？」

俺の泣き声のせいか、目を覚ました侑李が俺のベッドに近づいてきた。

侑李「りょおすけぇ、どうしたの？悲しいの？僕に言ってよ」

涼介「……なん、で……もなっ、い」

侑李「話したくないならいいよ。よしよし」

侑李はそう言って、俺の頭を撫でてくれた。

侑李、お前だって虐待を受けていたんだよ。

それなのに、なんでそんなにいいやつなんだよ。

なんで母さんは、こんなにいい子をいじめたんだよ。

悔しさと怒りと悲しみがごちゃ混ぜになって、どれにも似つかない感情が芽生えた。

侑李「泣き止みなよ、そろそろ。明日目が腫れて、裕翔くんにもバレちゃうよ？」

侑李は「もお、仕方ないなぁ」と言って、横になったままで丸まって泣いている俺を抱きしめてくれた。

トクットクッと侑李の心臓のおとが聞こえてくる。

その音が、俺を安心させてくれた。

侑李「眠かったら、寝ていいよ」

その言葉で、俺は再び眠りについた。