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侑李の気持ち(mui☆様 リクエストです) ページ14

涼介サイド

息が上手くできない。

それでも足を動かす。

侑李が待っているんだ。

必死に酸素をむさぼって、ただガムシャラに走る。

あともう少し。

この廊下の奥には、侑李がいる。

足に力を込める。

今までよりも、少しだけ加速する。

侑李、部屋にいろよ。

俺は、勢いよくドアを開けた。

侑李「りょお……すけぇ。りょおすけ!」

侑李が俺に抱きついてきた。

侑李「りょおすけ、ごめんね。僕、涼介のこと、大好きだから。嫌いとか、嘘だから。ごめんね、ごめんね。りょおすけ、今日も好き、大好き」

侑李は俺の胸に顔をくっつけて、スリスリしてくる。

涼介「俺も、ごめんね。あのね、この前言いかけたこと、気になってたよね。でも、嫌いだなんて、思ってなかったよ。不安にさせて、ごめんな。俺も、侑李のこと、大好きだから。明日も好きだから、ね?」

侑李「うん。あのとき、何て言いたかったの? 教えてよ、涼介」

涼介「えっとね、侑李がいなくなったら……死んじゃうよって。だから、そばにいろよって。」

少し照れ臭くて、そっぽを向いてしまう。

侑李「あー! りょーすけ顔真っ赤だよ。耳も赤くなってる」

侑李にそういわれて、もっと顔が熱くなる。

侑李「残念だけどねぇ、僕は涼介がいなくても生きられるよ!」

涼介「なんだよ。俺の片想いみたいじゃんか」

侑李「えへへ。嘘だよぉー! 僕だって死んじゃうかもね。さっきの涼介、顔が死んでたよ?」

涼介「死んでねーよ」

侑李「長く生きたら勝ちって言ったのりょーすけなのに、それじゃあ負けちゃうね、僕に」

涼介「なんだよ。ベラベラとよく喋るなぁ。熱、もうないんじゃないの?」

侑李「確かに。ちょっと待っててよ」

侑李はそう言って、体温計を脇に挟んだ。

しばらくして、ピピピッと音がなる。

涼介「どう?」

侑李「38.7度」

涼介「まだ高いじゃん」

侑李「うっそぉー。37.5度」

涼介「良かった。って、嘘つきすぎだよ。」

1.2度もさばをよむとは……、さすがです。

でも、ほんとに良かったぁ……。

侑李「涼介、いつものは?」

涼介「ああ、えっと。今日も好きだよ」

侑李「うん、明日も好きだよー」

そう言って、抱きしめ合う。

侑李がニコッと笑った。

俺は、その笑顔が好きなんだよ。

だから、これからも笑ってろよ。

いや、辛いときは泣いてもいい。

俺が笑わせればいいからな。

だから侑李も、俺が泣いたら

笑わせてくれよ。

お前のこと、信じてるんだから―――――

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作者名:J | 作成日時:2020年3月15日 20時

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