二十七 ページ28
「「「……………」」」
『あはは、お腹痛い……ん?………えっ、あ、その…』
ひとしきり笑った後に気づいた
三人がこっちを見たまま動かないことを
そしてその沈黙を破ったのは藤堂だった
「お前、今……笑ったよな…?」
『っ!!』
怖い
この後何を言われるのか
「お前笑ってる方が可愛いじゃねぇか!!」
『…は?』
何言ってんだこいつ
「そうだな。新八の言う通りだ。お前は笑ってる方がいい。」
原田は俺の頭を撫でながら
「お前はずっと笑っててくれよ。」
その言葉で私の何かが吹っ切れた
そして私の目から何かが溢れた
「えっ」
それは熱かった
『ひっ……んぐっ…!』
「えっ、なっ、ど…!」
永倉が凄い焦ってる
「なっ、なんで泣くんだよ!?」
藤堂も同じように焦っている
『だっ、て…誰かに、もっ、いちどっ!…ぅぐっ……そんなこと…言われ、る、なんて…思って、なくて……』
一度涙がこぼれてしまうと止められなかった
『ごめっ……』
そう言って立ち上がろうとすれば原田に止められた
「ここにいろ……ずっと我慢してたんだろ?今日は泣け。」
「俺達はもう、仲間なんだから。」
『っ、………う、ぁ、ああぁぁぁあぁぁ!!!』
もう駄目だった
我慢出来なかった
この人たちと一緒にいたい
駄目だって分かってるけど
それでも一緒にいたい
原田は頭を撫で続けてくれて、
永倉はおずおずと背中をさすってくれた
藤堂は俺の前にしゃがみこんでいる
この人たちの優しさに触れてしまった
ここにいて、いいのかな
俺が考えてることがわかったのか藤堂が
「お前はここにいていいんだよ。」
この日から俺は完全に心を開いた
俺に居場所ができた日
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作者名:tear | 作成日時:2017年8月27日 21時