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十九 ページ20

『ごめん藤堂。忘れてた。』

「おいっ!まぁいいぜっ!かっこよかったしな!」

『かっこいいは…求めてない。』

少し苦笑いした俺をみて藤堂は

目を細めて微笑む

『っ!!』

その姿はどこかで見たような気がして…

「?A?どうかしたのか?」

『いや、何でもない。』

「じゃあ戻ろうぜ。」

来た道とは別の道で帰る

もちろん巡察もちゃんとしてる

「…なぁ……」

藤堂が遠慮がちに声をかけてくる

『?何?』

「あのさ、お前さっきあのお母さんと話してる時さ、凄く悲しそうな顔してた。俺には、その、男の子が可哀想で悲しそうな顔してたってわけには見えなくて…」

『っ!』

俺はそんな顔してたのか…

「そのさ、お前の過去、聞いちゃ駄目かな…?」

過去、か…

『話したくないし、聞いても何も得ることはないよ。』

「…そ、か。」

藤堂が俯く

『でも、俺が悲しそうな顔してたのなら、多分それは、自分に重ねてたのかもしれない…』

「Aに……?」

『話せないな、今は。』

「…そっか。わかった!」

今度はさっきのような笑顔で笑って返事をした

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作者名:tear | 作成日時:2017年8月27日 21時

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