十八 ページ19
今日の巡察は藤堂と二人
いつも通り町を見回る
「今日は平和だな〜」
『あぁ。』
このまま何事もなく終わってくれればいいんだけど
そういうわけにはいかなくて
俺はふと足を止めた
少し離れたところで男の子とそのお母さんらしい人がいる
どうやら男の子は叱られてるらしい
まだ小さいからかもう半べそをかいている
止めるべきか否か
「どうして何も出来ないの!?お姉ちゃんは剣術も体術も出来るのに!あなたみたいな出来ない子いらないのよ!!」
お母さんが怒鳴った
あぁ、こんな光景見たことあるな
思い出せば過去の自分だった
そして俺は駆けだした
『なんてこと言うんだ。』
お母さんと男の子の間に入る
「なっ、何よ貴方…!」
『口を挟んでしまって申し訳ない。ですが言い過ぎですよ。』
『子供は親を信じるんです。この年じゃ何もわからないから頼るんです。その親が、貴方がこの子を信じてあげなくてどうするんですか。』
男の子の肩を抱き
『それにこの子は勉学の方が得意かもですよ。もしかしたら医療の方が…なんてことも。この子の将来を決めるには早いです。突き放すには早すぎる。貴方がこの子と一緒に将来を考えてあげてください。』
そう言えばお母さんは自分のしたことに気づき
「ごめんね…貴方の親なのに…」
と素直に男の子に謝る
「貴方もありがとう。私も最近忙しくて…それを理由にはしてはいけないけど…この子とちゃんと向き合います。」
『ええ、そうしてください。』
『君も、まだ頑張れる?あのな、人間ってのは完璧じゃないんだよ。苦手なこともあれば得意なこともある。君の得意なことを見つけていこう?』ニコッ
「うんっ!」
男の子とお母さんは帰っていった
あ、藤堂忘れてた
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作者名:tear | 作成日時:2017年8月27日 21時