・ …sink… ページ29
mb「＊＊＊ー！一緒に着替えに行こ〜！」
『あ、うん。待ってて今行く〜』
これはいつの時だろうか。この制服は…中学生のころ?
嫌でも中心のグループに入ってそれっぽく振る舞っていた時か。
無理して笑ってたせいかストレス性の胃腸炎になっていたのを思い出す。とても辛かった。
そのまま更衣室に行って着替え始める。
「………」
拒んでも見えてしまう胸の膨らみに、カバーするかのようにつける下着が視界に入り思わず顔を顰めた。
ひたすらに感じる拒否感と違和感。
mb「え、＊＊＊胸大きくなった?」
『いやいや、そんな事ないし大きくする気ないから〜』
へらりと笑って見てくる同級生から胸を隠す。
ふざけるな、これ以上大きくなってしまったら困る。
ニヤニヤと笑う人たちの考えをイメージしつつ急いで着替え先に更衣室から抜け出した。
「あ、、、れ、、?」
辺りを見渡すが誰もいない。
更衣室のあの喧騒音も気がつけば聞こえなくなっていた。
「…」
下を見れば"俺"はゼペルの姿へと戻っている。今の男性の姿に。
一度教室まで戻ろうと走れば、後ろから聞き慣れすぎていた声をかけられた。
『ねぇ』
「……⁉︎」
振り返ればそこには"私"がいた。
『こんにちは……あぁ、貴族だからごきげんよう?』
死んだ目をしていて、無理やり胸を押さえ込むような下着を選んで、着たくもないフォーマルスーツのスカートを身につけて、靴擦れでボロボロになった足を隠すパンプスを履いてる。
「どうして…ていうかここどこ…」
『さぁ?俺が知らないことを私が知るわけないじゃん』
誰かによく似た笑いをする私はこちらはコツコツと近づいてくる。
『ウケるよね。ぶっ壊れかけな前世の心と転生したことで新たにできたみにっくいたらしい変な俺の心。時たま片鱗はあったけど、合体しちゃってぶっ壊されたなんて』
「…あぁ、壊されたんだ」
『そーそー。あのほっそい線でパリンって』
相手のこと気にした結果、悪い方向に進んだのは何回めだろうね。と私は嫌味を垂らす。
そんなことを言われても俺だってよくわからない。ショッピに対して魔法弾を全弾外したこともそうだ。
なんで戦闘イベだと理解しているのに…俺はどうしてあの行動たちをとったのだろう?
『その疑問は私にもわかんないけど』
「だろうな」
『人との交流ゴミだったからねー』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 866人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんべべ | 作成日時：2021年12月1日 18時
