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9月中旬、学院では残酷で恐ろしい事件が起きた。
明け方5時ごろのこと。休憩の時間を終えて巡回を再開しようとした警備員の目には、恐ろしい世界が広がっていた。
大量の鳥の死骸たち。そして学院中央の草花の萎凋。
生きるものは何もない。
目の前に広がっていのは死の世界。
生を許さない、闇の世界。
現場を見た警備隊とラッダァ含む教師地位の高い者たちは言う、まるで暗黒月の再現かと。
これが禁忌の魔術師が起こしたと言う末恐ろしい世界かと。
そして生徒、教師たちは口々に言う。
「…ゼペル・Aが犯人ではないか…ねぇ?」
厳重警戒の体制がとられる中で、生徒たちは教室へと集められクラス毎に現状の説明を受けた。また、ここ数日間で違和感や不審な点の心当たりがある生徒は教室に残り個別で聴取をすることに。
俺は否応なしに聴取をされるらしく教室で待機していた。
ショッピとロボロはらラッダァの許可を貰い一緒にいてくれている。
rb「事あるごとになんでAが真っ先に疑われなあかんのや。ほんま腹立つ」
仕方ない、と言いながら片手で頭をおさえる。昨夜から続くとんでもない頭痛は続いており結局睡眠は2時間程度のみ。
極限状態真っしぐらである。
そして例のイベントのタイムリミットまであと少し。どうか持ち堪えてくれ俺の身体と願うのみ。
shp「A、寄り掛かってええよ。そっちの方が楽やろ」
「うん……」
隣に座るショッピの厚意に有り難さを感じながら肩を借りた。しばらくは交流もできなくなるんだよなぁ、と思うとなんだか心がスゥーと冷たくなる。
それもこれもあの生徒のせい。そして事あるごとに俺のせいだと主張するルナのせい……。
(あれ、なんで急にルナ出てきたんだろう。後で会うのだから今名前を出さないでいいのに…)
ra「A、辛い中待たせてごめん…って大丈夫?」
「やるなら早くお願いします…」
質問の答えは見りゃわかるだろ、ということで聴取を急かす。担任は意図を汲んだのか記録用紙をパラと捲り何か考えてから1つだけ聞いてきた。
ra「今日の深夜はどうしてた?」
「部屋で痛みに耐えてました」
そう言うと3人が驚きの表情となる。…いつから頭痛にうなされているのかを言い忘れてたかも。俺それどころじゃない。
ra「ミドリに確認してもらうか…。
おっけい、とりあえず今日は早く帰って休んで?」
「……はい」
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作者名：あんべべ | 作成日時：2021年12月1日 18時
