白尾さん達の恋模様4【BL】 (ページ11)

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その日から、ちょっと過ぎた日の事。

借りていた本を返そうと、図書館に寄った時。
司書さんに本を返して、また借りようと中を見渡せば、見慣れた2人の影が見えた。
彼と、もう1人。
明るい金髪の奴。
2人で来てる事に、胸がざわついた。

邪魔でもしてやろうかと思って近づくと、スマイルの顔が赤くなっていることに気がついた。
顔だけじゃなく、耳まで真っ赤で。
...なに、それ。
なんで、そんな顔してんのさ。
そんな、顔してたらさ、まるで、まるでさ。
...お前が、彼奴の事好きみたいじゃん。

よくよく見れば、2人は1つのイヤホンを2人で付けていて。
...俺には、してくれなかったくせに。
心が段々と黒く染まっていく。
なんで？どうして？
そんな疑問ばかりが頭をよぎって、少しだけ辛くなった。
＿＿＿＿
＿＿
＿

...伝える前に終わったんだ。
何も出来ずに負けてしまった。
それらしい行動の1つも出来ずに、この想いは無駄になった。
イヤホンからは、彼が薦めてくれた歌が流れてくる。
...この歌を、彼は彼奴と聞いたんだろうか。
また思考が暗くなる。
実らないのなんて、今日でとっくに理解した。
胸がズキズキと音を立てて、失恋した事を知らせてくる。

何も出来なかったけど。
何も、伝えられなかったけれど。
それでも、それでも俺は。

「好きなんだよ...ばかぁ...っ。」

誰かのラブソングみたいに。
何かの、恋物語みたいに。
...この恋にも、幸せな終わりがあれば良かったのに。