少女の願い事2【赤髪の白雪姫】 (ページ16)

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sideなし

「っ…」

「！大丈夫ですか！？」

頭の痛みで目が覚めたオビは自分が今置かれている状況を理解しようと頭を働かせていると2つの足音がオビの耳に入る。

「オビさん…！」

ユジナはオビに、オビが倒れてから今までの事をこと細く話した。

「ーそれで…兵達が追ったんですけど途中で見失ったらしくて…今行方を捜しています。夜会は中止になりました」

「ごめんなさい…！私達があの時部屋に入らなければ……」

「姫達のせいじゃありませんよ」

そう言って笑いかけると2人は手を繋ぎ、御目付け役の男性と一緒に戻って行った。

「…俺、どのくらい寝てました？」

「1時間ほどです。まだ横になられていた方が…」

「クラリネスから誰か来ましたか？」

心配する女中を他所に矢継ぎ早に質問をするオビ。

「いえ聞いていませんが…確認して参りましょうか？」

「すみません、頼みます」

女中が出ていき、1人長考に入るオビだったがふとベットから立ち上がると続き部屋のドアを開ける。

「やったね、便利だ。続き部屋だよ」

オビはそう言っていた自分を思い出す。そのまま部屋を横断し、白雪とかほの続き部屋のドアを開けた。

「かほ嬢、続き部屋だったよ」

「あ、本当ですか。凄いですね」

「それに便利だし」

「だね、何かあったら呼んでね、お嬢さん。それにかほ嬢も」

「ありがとうございます。白雪さん、オビさんに頼みにくい事だったら私を呼んでくださって全然構いませんから」

「ーうん。2人も」

「はは、了解」

「了解しました」

3人でこんな事を言っていた。それなのに白雪も、そしてかほも守れず美少年と男に連れ去られてしまったオビは、自分の力の無さを呪って強く壁を叩いた。