少女の願い事2【赤髪の白雪姫】 (ページ15)

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sideなし

「衛兵…」

そっちに意識がいっていたので白雪は兵を呼ぼうと大声を出そうとしたが、美少年がいち早く気づきその口を封じる。

「白雪さんから手を離してください」

「嫌だ。何もしないって、大人しくしとけば」

「でも…」

「それに、お前も標的なんだから少しは慌てたら？」

「え…」

「どけ！」

Aの声とオビの声が重なったその時、ドアがキィ…と開き小さな影が姿を現した。

「白雪さん？」

「二人とも、来ちゃダメです！」

Aの声に2人は身体をびくつかせた。そして、オビは突然の訪問者に意識がいってしまい、男に隙を作り後ろ首に手刀を落とされた。

「悪いな」

「てめ…っ」

ふらついたまま地面に伏せ動かなくなるオビに声の出せなくなったAと声をはりあげた白雪。

「オビ！！」

男がこちらに来るのを確認すると白雪の前に立ちはだかるA。しかし、Aはグイッと手を引かれ美少年に担がれた。それと同様に白雪も男に担ぎ込まれる。

「待って！」

「放して！！」

白雪とAの声が重なり合う。

「オビ！」

「オビさん！」

そう叫びながら何とか抜け出そうともがく2人だったが、美少年に睡眠薬のようなものを打たれパタリと動かなくなった。
2人はそのまま窓から飛び降りてどこかへ行ってしまった。

その光景を何も出来ずに見ていたロナとユジナはオビの元へ駆け寄り震えたまま声を出す。

「あ…あ…どうしようユジナ…白雪さんとAさんが…！」

「ロナ…」

いつもとは違う片割れの姿を見てユジナは窓際に走り身を乗り出す。

「衛兵！」

「！ユジナ王子。今不審な者達が向こうに！」

「捕らえるんだ！！客人が連れて行かれた！」

そして、

「ラジ王子！」

夜会に出ていたラジは1人の衛兵に呼び止められた。