少女の願い事2【赤髪の白雪姫】 (ページ13)

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「次々人が来てるよ。きらびやかなもんだよねえ。えーっとお嬢様？」

部屋に入ってきたオビは開口一番こんな事を言った。

「さすがに今日は女中さん達に囲まれてましたね」

「白雪さん。すごく綺麗ですよ」

「ありがとう、A。うん…おまけにこんな緊張するとは思わなかった…」

白雪は慣れないドレス姿でどうにも出来ず1人下を向き落ち込んでいた。

「まあ王子の客人だからねえ…王子と一緒にいてもいいし、席用意してるから座ってもいいってさ」

「ほ、ほんと？」

普段の姿とは違いさすがのオビも心配そうに声をかけた。

「…でも…座ってるだけじゃなんにもならないもんね」

覚悟を決めたように頬に手を当てる白雪。

「だね」

「私の言動がおかしかったりしたら、咳払いよろしく」

「承知しました」

「かしこまりました」

「…オビ、器用だよねその声色」

「こればかりは真似出来ないんですよね」

そんな時、部屋にノックが響き渡った。

「オビ様！A様！失礼致します！！クラリネス王国ゼン王子より書状が届いております」

兵に渡された書状をAが受け取り、紐を解いた。オビも横に回り真剣な表情で見つめる。

「件の少年とその仲間らしき男ー…が白雪さんをタンバルン王城に迎えに行くって話すのを巳早さんが聞いたらしいです」

「…ここに居るのが知れたんだー…」

「これ、お嬢さん宛になってる」

心配気な表情の白雪にオビは小包を渡す。

「ー夜会に出るのはまずいね」

オビの言葉に小包を開く手が止まる白雪。

「俺もさすがに王宮じゃやった事ないけど招待客にまぎれようど思えばまぎれられるんだよ。もし今日ー…」

その刹那、気配を察知したオビとAは白雪を守るように手を伸ばす。大きな窓に現れた人物を見てAは目を見開いた。

「ー白雪、みっけ！」