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45個目 side少女 ページ47

「どうして言っちゃうのよ!!」

「だって…早く出たいよ!暗いじゃないかっ」

「何よ!その人とずっと手を繋いでいるからいいじゃない!」

いきなりこちらに飛び火がきたので思わずビクリと体を震わせてしまった。

「別にいいじゃないか!」

このままだと喧嘩が続いてしまう…とりあえず、あの人この人では埒が明かないので2人の口論に割って入った。

「あの、私はAと申します。私がユジナ王子に手を掴んで欲しいと言ったのでこの状態になってしまったのは私の責任です。すみませんでした」

「わ、分かればいいのよ」

「それで、出口まで案内して欲しいのですがよろしいですか…?」

「しょうがないわね!ユジナ、行くわよ」

そう言うと、ロナ姫はユジナ王子の掴んでいない方の手を掴みどんどんと前に進んでいく。

「あ、あの、ロナ姫、この手は…」

「何よ、私とは手が繋げないって言うわけ?」

「いえ、そうではなく…」

困って白雪さんの方を見るが、白雪さんは苦笑いを浮かべるだけで何も助言は貰えなかった。
しょうがないのでそのままにして出口へと向かった。

「こっちです」

そう言ってユジナ王子が扉を開けるとそこには温室が広がっていた。

「わあ…!!」

「高いですね」

「そう、ですね」

白雪さんとオビさんが感想を述べる中、私は地下にいた為、薄暗い空間に慣れていた目を細める。

「好きに見たまえ、私は好きに少し休む……」

「あ はい」

ラジ王子は近くにあった椅子を見つけるとため息をつき座った。その姿を見てから白雪さんは奥へと進んでいく。

「ユジナ王子、ロナ姫。案内、ありがとうございました。失礼します」

私は2人に手を離してもらい、白雪さんとオビさんの後を追った。
白雪さんが屈んで花を見ている中、私はオビさんに話しかけた。

「あの、オビさん」

「ん?なんだい?」

「さっきの事なんですが…」

話を進めようとしたその時、ラジ王子から声がかかった。

「オビどの、Aどの……少々いいか……」

「?」

「はい」

どちらかと言うとラジ王子よりも後ろにいらっしゃるユジナ王子とロナ姫の方が気になるけど…ラジ王子の話を聞く。

「…迷惑をかけた。白雪どのにも…そう言っておいてくれ」

とても小さな声だったけれど、その言葉を聞いて驚いた。

「承知しました」

オビさんも少し驚かれたようだったけど、表情ひとつ変えずにそう言っていた。

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作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時

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