44個目 side少女 ページ46
戻っている途中で白雪さんがこちらに向かっていたようで鉢合わせをした。
「あっお嬢さーん。やっと捕まえましたよ」
「無礼者!離しなさいっ」
私が連れてきた男の子よりも断然元気のいい女の子。オビさんが運んでいる時もずっと何か言っていた。
「……!?オ オビ。その子達は…」
「!!おっお前達!!何をやっているのだ!?」
白雪さんを追いかけてきたのか後ろにいたラジ王子は大きな声で言った。
「兄様…!」
「!?」
女の子の言ったこの言葉に白雪さんは驚いていた。
オビさんは女の子を地面へ下ろす。
「タンバルン王女、ロナです。こっちは双子の弟の…」
そうしてロナ姫は男の子の方へ向くがその子は私の背中に隠れて出てこなかった。
「もーっ!!何をしてるのよっ!!」
「…第2王子、ユジナです」
なるほど。誰かに似てると思ったけど、ラジ王子に似ていたんだ。
「あっ…お初にお目にかかります。白雪と申します」
「ええ、聞いているわ」
「お前達ついてきていたのか!?」
白雪さんの言葉に短く返答したロナ姫だったがラジ王子の質問には答えなかった。
「ロナ姫、ユジナ王子。出口までの道順はご存知ですか?」
「いいえ、私達も迷いながら来たのよ」
オビさんが2人に聞くが、ロナ姫はすぐにそう答える。しかし私の隣にいたユジナ王子が
「僕はわかる…どこの出口がいいですか?」
と言ってしまった為、2人は喧嘩を始めてしまった。
78人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時