検索窓
今日:25 hit、昨日:14 hit、合計:70,322 hit

43個目 side少女 ページ45

向こう側に渡りまだ気配がそこにある事を確認する。私よりも先に角を曲がり、気配と接触するオビさん。私も少し遅れて角を曲がると、もうオビさんは何かを掴んでいた。私はほっとしてオビさんに近付こうとする。

「A嬢!まだもうひとりいる!追いかけろ!」

「えっ」

前を見ると確かに影が向こうに走っていくのが見えた。私は慌てて走りだす。向こうは足が遅いのかすぐに追いつき行く道に通せんぼした。走ったままの勢いで、私のお腹辺りに突っ込んできたので、私はすかさず抱きしめる。

「子供…?」

私達を追いかけていたのはなんとまだ十歳ぐらいの女の子だった。

「ちょっと!離しなさいっ!」

私の腕の中でじたばたと暴れるその子。こんな状態でもこんなに暴れるとは思わなくてちょっと驚いた。

「こっちは男の子っぽいね」

オビさんがこちらに寄ってきて私が捕まえているのを確認するとそう言った。
確かにオビさんの脇に抱えている子は男の子だった。しかも私が抱きしめている子より大人しい。というか、少し泣いていた。

「そっちの子のが大変でしょ?はい、交換こ」

オビさんは男の子を床に下ろすと今度は私が捕まえていた女の子を脇に抱えた。そんな事になってもその子はずっと暴れているのに、男の子は大人しいままだった。

「あの…とりあえずラジ王子の所に行くので手だけ掴んで貰えますか?」

私はしゃがんで男の子の目線より下に下がって言った。顔を上げこちらを見る男の子。あれ、この子誰かに似てる気がする。そんな事を思っていると男の子が私の方に手を差し出してきた。

「ありがとうございます」

私はその手を掴みオビさんと白雪さん達の元に急いだ。

44個目 side少女→←42個目 side少女



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (15 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
78人がお気に入り
設定タグ:赤髪の白雪姫 , オビ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。