42個目 side少女 ページ44
「よいっしょ!」
王城シェナザード内地下通路、私達は未だにここをさ迷っていた。
「水の中歩くのって疲れる…」
「泳ぐハメにならなかったのが救いですかね」
「白雪さん、大丈夫ですか?」
私は白雪さんに手を差し出し引き上げる。確かに水の中で体力は削られたが、まだ息を上げるほどではなかったので助かった。
「どこかに…水が引くか足場ができるかの装置があったのだが…」
「い いえ。何も触らないで済むのならその方が…」
立ち上がり息を整えながら白雪さんはそう言った。また何かしら押して何か起こるのはさすがに避けたかった。
またしばらく歩くと後ろの方で何か気配がする。
私が振り返ると後ろにいたオビさんもまた後ろを見ていた。
「オビ?A?どうかした?」
「いやどうも誰かがついてきてるみたいで」
「えっ!?」
「ここもか!?」
「私、ちょっと見てきます」
「え?!危ないよ1人で」
「大丈夫です。俺も行きますし来た道以外通りませんから」
そこまで言うとオビさんは白雪さんに顔を寄せる。
「あと、王子いると動きにくいからさ」
ラジ王子には申し訳ないけど、本当にその通りだ。私達は来た道をまた戻って行った。
すると、さっき通った水の道に足場が出来ていた。
「足場ができてる…つーか浮いてる?」
「…オビさん、あそこ誰かいます」
「渡ってるとこだったのか?こりゃ出口教えてもらえそうだね」
そう言うと、オビさんは迷わず足場を使って向こう側に行く。私も慌ててその後を追った。
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作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時