38個目 side白雪 ページ40
「両隣がお付きの方のお部屋になっております。では 御用がございましたらお呼び下さい」
女中さんが居なくなりため息をつく。初日からこうも大変だとは思いもしなかった。いや、少しは考えていたけども。
そんな事を1人考えていると扉がノックされる。
「お嬢さーん」
「あ」
オビの声が聞こえてドアが開かれる。
「やったね便利だ。続き部屋だよ」
「おおー」
オビとの部屋の境界線のドアが開くという事はAとの方も開くのだろうか。私は早速逆方向のドアへと移動する。後ろにオビも一緒だ。
「A?開けてもいい?」
「あ、大丈夫です。どうぞ」
がちゃりと開けると、私が案内された部屋とほとんど変わらないレイアウトの部屋が目に入る。ドアを開けるとAがこちらをむいて立っていた。そして、オビと私の方に寄ってくる。
「A嬢、続き部屋だったよ」
「あ、本当ですか。凄いですね」
「それに便利だし」
「だね。何かあったら呼んでね、お嬢さん。それにA嬢も」
「ありがとうございます。白雪さん、オビさんに頼みにくい事だったら私を呼んでくださって全然構いませんから」
「ーうん。2人も」
「はは、了解」
「了解しました」
そんな話をして、私達は各々の部屋へと戻る。
私は大きな窓へと近づく。この旅の最後に私は何かを得られているんだろうか。
その頃、ウィスタル城でもゼンが空を見上げている事を2人は知らない。
そして、動き出した美少年。
「あーあ、ガードが固くてやんなっちゃうよな王城なんて。船で情報くれたあの男…追っとかなかったのって失態だよなー」
「ま どこにいるかめぼしついたんだし」
「一旦タンバルンに戻ろっと」
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作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時