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22個目 side白雪※途中で視点が変わります ページ24

「というわけでもうひとつ喝を入れてきてくれると

ありがたい。滞在は7日間。明日から出国まで恥にな

らぬよう舞台の稽古だけでも受けてもらう。あなた

の上司の薬室長には私から話しておこう。白雪、

あなたに14日後のタンバルン行きを命じる」


イザナ王子がそのまま話を続ける。
私にはイザナ王子の言った言葉がよく分からなかった。 …私にはそんな力はきっと無い。


「ー返事をしないのは、この話が自分が何かを得られる機会になるかもしれないとは考えもしていないからか?」


そのイザナ王子の言葉に私の決意は決まった。


「ーいえ、イザナ王子」


私のその言葉を聞いたゼンはイザナ王子に向かって片膝をついた。


「兄上!その命令、私から1つ条件を出させて頂けますか」


「…条件」


ゼンの突然の言葉に顔から笑みが消えるイザナ王子。


「白雪の付き人として、私が信頼をおく者を1名同行させたい。ーこれだけは譲るわけにはいきません」


ゼンのその真っ直ぐな目にイザナ王子はフッと笑った。


「いいだろう。では白雪、いいな」


「はい、承知しました」


部屋の扉がバタンと閉まる。数歩歩いただけなのに女中さん達がゼンに話しかけた。


「失礼致します。ゼン様」


「どうした」


「白雪さまに今晩よりお部屋をご用意しています。今からご案内させて頂いても宜しいでしょうか?」


「えっ!?」


宿舎に戻らない?何故だろう。


「…明日からの稽古で宿舎に戻らなくていいようにだな」


「!やる事が早い」


さすがイザナ王子だ。


「ー俺もミツヒデ達を待たせてる。今日はもう遅いからな。ひとまずゆっくり休め」


「そうします。ではまた」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ー白雪がタンバルンに…」


「ああ、話はそれで全部だ」


ゼンは窓に顔を向けていて4人からはゼンの顔が全く見えなかった。


「そりゃまた…なんだって他に問題が起きてる時に…」


オビは眉を顰め言う。ゼンはその言葉が聞こえないかのようにミツヒデの名を呼んだ。


「ミツヒデ。タンバルンへの同行、おまえに任せる」


「はい」


ミツヒデはその言葉に返事をする。ゼンはずっと4人に背を向けたままだった。

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作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時

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