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21個目 side白雪 ページ23

夜になり私はゼンと一緒にイザナ王子の元へと向かった。

部屋に入るとイザナ王子から声がかかる。胸が緊張でドキドキする。

「ああ、来たか。すまないなこんな時間に」

「何の御用でしょうか、兄上」

「厳密に言えばお前に用はないんだがら呼ばないと怒ると思ってな」

「は?」

ゼンがイザナ王子に話しかけるとそう返答したイザナ王子。まさかそんな返し方だとは思ってなかったのかゼンは少し驚いていた。

「白雪、久しぶりだね」

「!はい、イザナ王子」

「今日、隣国タンバルンから書状が届いた。タンバルンで開かれる夜会に合わせてあなたを王城へ招きたいそうだ」

その言葉を聞き驚いた。タンバルンから私に?どういう事だろうか

「以前あちらの第1王子ラジどのをクラリネスに招いただろう。その時、白雪という者に世話になったと側近が話していてーその礼だそうだ」

ラジ?その話本当だろうか?私が国から出る前では有り得ない話だ。些か信じられない。

「近頃…ラジどのについては少し耳にしているりこのクラリネスから戻って以来、一国の王子として意識に向上が見えるとな。白雪、あなたがラジどのに向けた言葉。あれがいい薬になったんじゃないかな」

イザナ王子が仰っているのはきっとあの言葉だ。

(でしたら、故郷の王子かまあなたで良かったと思えるくらいの方になってくださいよ)

「礼を欠こうがそう願います。タンバルンで生まれた者として」

私が頭の中で反芻した言葉とイザナ王子が言った言葉が重なる。

「タンバルンとしては1度あなたを見てみたいといったところだろう」

「!では、ラジどののそばに置いて様子を見るのが目的か」

「え!?」

今まで口を閉ざしていたゼンがイザナ王子に言う。そういう事だと分からなかった私は思わず大きな声を出してしまった。

「向上が事実なら結構な話じゃないか。親交ある国の次期王だ。ーきれ者でも考え物だが、ただの無能ではこちらが困るだろう?ゼン」

「…」

イザナ王子は悪びれることも無く淡々と言うものだからゼンは黙ってしまった。

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作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時

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