14個目 sideなし ページ16
今、ミツヒデとAは休憩と言って白雪の元へと行ってしまったゼンを連れ戻す為、薬室へと向かっていた。
「ゼン、大丈夫だろうか…」
「最近仕事が立て込んで大変でしたからね…」
「あぁ。ろくに寝ていない状態で白雪に会いに行ってもちゃんと話は出来ないと思うのだが…」
そんな会話をしながら廊下を歩いているとすぐに薬室に着く。
ミツヒデはドアを軽くノックし、ガチャリと音を立てドアを開ける。
「ミツヒデです。ゼン殿下はどこに?」
部屋にいたガラクに声をかけた。ガラクは振り返り仮眠室を指さしながら言う。
「ゼン殿下なら、白雪くんを待つと言っていたから仮眠室にご案内したけど」
「ありがとうございます」
ミツヒデとAは再度仮眠室のドアの前に立つ。ミツヒデがコンコンとドアをノックした。
「ゼン殿下、ミツヒデです」
「Aです。開けてもよろしいでしょうか?」
そう声をかけると内側からドアが開けられる。少し顔が赤くなっている白雪が部屋の中から現れた。
「白雪。ゼンは…」
「…寝ておられますね」
「すまん、横になったら寝たらしい…」
あの後3人でゼンを起こし、今はゼンを連れて仕事に戻ろうとしていた。
「いやうん、気にしないで。寝不足ならまとめて寝た方がいいよ」
「ああ…また来る」
「何をやってるんだ何を…」
少しギクシャクしている2人に小声でツッコミを入れるミツヒデ。
話が終わり3人は廊下を歩き出すが、すぐにゼンが後ろを振り向く。
ゼンは2人を待たせると白雪の元へと歩いていった。
「ん?何か忘れた?」
「顔が見れて良かった。またな」
白雪の顔をじっと見つめそう言うゼンに顔を赤らめた白雪。
ゼンはそれだけ言うと2人の元に戻って行った。
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作者名:あす | 作成日時:2018年12月1日 17時