MISSING TWINs Ⅲ (ページ32)

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引力なのか浮力なのか、体を離れた私は上へ上へと引かれていく。
抗いようも無く、元より抗う気も無い。
ちゃんと戻れるだろうかと言う一抹の不安が在る中、私はやっとその存在を知った。
大我くんの隣に控えて、こちらをじっと無感情に見上げているその姿は紛れもなく私の姿だった。

ーずっとそこに居たの？ー

身に纏うことの出来なかった純白に包まれて、ずっと隣に寄り添い続けていたのだろうか。
その瞳は穴が空くほどにこちらを見つめて、ベールの向こうでそっと口角を持ち上げた。

ーやっぱり、私、アンタ嫌いー

勝ち誇ったような嫌味な顔をしてそう告げたかと思えば、その瞳からぽたり。
まっさらな雫が落ちたのが薄い白越しに見えた。
この私も私があの時争い合った芹だと気づいていたようで、繰り返されたその台詞を受け取って私は笑った。
あの時感じた呪うような強い視線ではなく、優しく見守るような柔らかなものを感じて、私は次に返す言葉を探そうとしたけれど、この場に合うものなど、１つしか浮かばなかった。

ー私も貴女、大嫌いー

その返しに互いにくすくすと笑い合った。
その間も遠くなっていく３人の姿。

ーありがとう…ー

そう告げた彼女の姿は、幸せだと語っていた。

ー迷わないようにお兄ちゃんにちゃんとついていってねー

壁を越えた先に居る２人に向けてそう呟いた。