�将将将将将将将将将将� ページ3
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「ねー、今の彼氏？」
大我くんと別れて後ろの席で講義の準備をする私に、少し派手目の女の子が声をかけながら隣を陣取った。
本来の私なら、挨拶もなく声をかけてくるような人間は苦手で、愛想を少し撒いたらそれとなくその場を離れる。
「ううん。フィアンセー♪」
ーだから、本気でこの私強い…っ！ー
「フィアンセとか、笑えるんだけど！」
わざとだろう。
大きな声で笑い転げて室内の注目を態々集めるその行為は、控えめに言っても性格が悪い。
周囲は迷惑そうな顔をしながらも、助けてくれる様子はない。
ただぼんやりとその人の笑いが収まるのを眺めていた私は、落ち着いた所でやっと口を開いた。
「落ち着いたー？」
「は？」
「なんかスゴく笑ってたから、この人息大丈夫かなー？って思って」
「はぁ？」
「で、何がおもしろかったの？」
まるで意味が分かってない様子の私は、不思議なモノを見るような顔でその人を見つめていた。
口の端を引き攣らせた彼女に追い討ちをかけるように「なんで？」と繰り返す。
その様は目に映る全ての物の正体を知りたくて、大人に問い質す子供の姿。
相手は一気に怯んでいった。
「な、なんなの」
「ねーねー、何がそんなにおもしろかったのー？」
「べ、別に」
「そんなにおもしろくないのにあんなに笑ってたの？」
「いや」
「じゃあ何で笑ったの？室内に響いてたよー山彦みたいに反響してたもの！」
「それは」
「え？なーにー？」
「だ、だから」
「うん。だから？」
にっこり笑顔で細められた瞳に、背筋が寒くなった。
遠目の人には分からないが、すぐ目の前の彼女にはハッキリ見えているだろう。
表情と正反対の不愉快を滲ませた瞳が。
「だから？なーに？」
「な、何でも…ない…」
前の方の友達らしき人影の方へ逃げていく彼女を見送って、不満げな顔をする私。
周囲の興味は一段落した辺りで逸れていた。
ーうわー…本気で怖い…無邪気な私、強い。怖い…ー
自分でも恐れ戦いてしまった。
実はこの私、けっこう腹黒くないか？とドン引きした次第です。
「ほんと、他人使ってちょっかいかけてくる人って好きじゃなーい」
ー無邪気装って怖い！！ー
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佐藤龍我のぶりぶりざ○もん
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作者名：Fin. | 作成日時：2019年5月24日 16時
