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ーJ-HOPEー
振り付けに行き詰まっている時に限って、ダンス練が上手くいかない。
グループだから得意、不得意はあるし、仕方ない事だと思ってる。
だけど。
いつも笑顔のJ-HOPEで居ることができない時だってあるって事は分かって欲しい。
帰宅して、着替えるとすぐに外に出る。
どうにかして振り付けを完成させたい。
なのに、何時間やっても思い浮かばなくて。
今や世界中に注目されているBTSとして、半端な振り付けはできない。
いつからだろうか、ダンスが楽しいと感じなくなったのは。
最初に振り付けを任された時は、楽しくて仕方なかったのに。
いつの間にか、振り付けをする時に感じるのはプレッシャーと責任感だけになった。
それが有名になるという事なのだ、と自分に言い聞かせては踏ん張ってきた。
そんな時に頭をよぎるのは、彼女のダンス。
ティーザー映像も、ステージ上のダンスも、楽しそうに踊る彼女が輝いて見えた。
感動した、なんて本当は素直に思えていない。
(いいよな、まだ楽しく踊れてて。)
若いから。
メンタルが強いから。
まだプレッシャーを感じる程のものを知らないから。
、、グループじゃなくてソロだから。
心のどこかで理由を付けて見ないようにしていた。
"ホビオッパ??"
今の姿を1番見られたく無いのに、気づいたらCELIが見ていた。
早く帰る様に諭すが、近くのベンチに座って動こうとしない。
諦めて、存在を無視して踊る。
CEL「私も踊ろっかなー」
突然立ち上がった彼女。
止める俺の声を全く聞かずに踊り始めた。
ゾクッ
初見の曲で、ステージのように完璧じゃないのに引き込まれる。
しかも、男性スタイルの動きだ。
ただ純粋に楽しそうに踊る彼女。
色々なジャンルをごちゃ混ぜにした即興のダンスに釘づけになって。
反射的に動画を撮影する。
『もう一回やって』
困惑した彼女は、俺が苦しんでいたところをいとも簡単に踊っていて。
"これ使っていい?"そう口に出していた。
最もしっくりくる動きだった。
快諾してくれた彼女が、"さむっ"と呟く。
悩みが無くなった途端、俺も寒さを自覚する。
CEL「オッパ、風邪ひいちゃうから毛布入りな」
持ってきた膝掛けを半分かけてきた。
、、、いや、距離近いんだけどっ。
不本意にドキリと心臓が鳴った。
いや、汗かいてるのに何でこんな甘い匂いすんのっ?
腕に当たる体の柔らかさを、妙に意識してしまう。
あー。ユンギヒョン、ごめん。
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舞桜(プロフ) - どうしましょう。すごく面白いお話見つけちゃった! (2020年2月17日 0時) (レス) id: c1ba84da81 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - おもしろいー!! 更新待ってます。 (2020年1月25日 9時) (レス) id: a2d6e4b6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:akn | 作成日時:2019年8月30日 11時