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ついでに“昨日女の人と一緒だったでしょ？”って、ふざけた感じで聞いてみれば良い。
「大丈夫、大丈夫」
私は胸を叩いて、早めにベッドに入ることにした。
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夢に落ちるか落ちないかの睡眠の中で、携帯が鳴っているのが聞こえた。
目を開けて手繰り寄せた携帯の画面には“AM 3:10”の表示。
電話の相手は、部長からだった。
「もしもし？」
“あ、もしもし！悪いな、夜中に”
「いえ、どうかしました？」
家の中は静まり返っていて、隆二さんがまだ帰宅していないことを教えている。
“今から現場出てこれる！？”
「今から！？」
“車、出せるか？”
部長の声に混じって、電話の向こうから雨の音が聞こえる。
カーテンを少し開けて窓の外を見てみたけど、雨粒は落ちていない。
あっちは雨なんだろうか……何にせよ、この時間の呼び出しはトラブルだ。
「分かりました、すぐ行きます。スーツですか、作業着の方が良いですか」
“作業着。あと、レインコート”
「……レインコート？」
“地下の1階に、水が溜まってんだよ”
「……え？」
ベッドから飛び出した私は、急いで顔を洗い身支度を済ませた。
夜までに家に戻ってこられる保証はない。
飲み会に行くための服もバッグに詰めていこう。
クローゼットを開けて真っ先に目についたのは、
ロスで買ってもらったPRADAのワンピース。
私はそれを丁寧に畳んで、バッグの一番上にそっと入れた。
“トラブルがあったので現場に行ってきます”
テーブルにメモを残し車に飛び乗る。
時刻は、朝4時。
こんな時間まで隆二さんは何をしてるの？
沸き立つ疑問を打ち消すように、私はアクセルを踏み込んだ。
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作者名：ぽち。
| 作成日時：2019年4月17日 19時
