7話 ページ9
kn side
学校に行くのが憂鬱。
重い足取りで家を出る。
その行為だけでため息を何度ついたことだろうか。
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「……」
黙って席に座る。
あの日から鮫島さんは話しかけてこなくなった。
少し寂しいな、と思いながらも僕は俯いたまま。
「おい金城」
「…!」
クラスメイトの男の子が低い声で話しかけてくる。
嫌だ、怖い……助けて…
「昼休みここな」
と、その人にメモを渡される。
その紙には、『屋上』と書かれているのが分かる。
なんとも言えない恐怖心に襲われながらも、渋々
「…わかった」
と呟いた。
あらかた予想はついている。
されることも、その結果も。
それでも僕は言い返せないから、黙って承諾するしかなかった。
お昼休み。
僕は約束の場所に赴いた。
嫌だ嫌だと足を引きずるようにして。
恐る恐る扉を開ける。
すると、待ち構えていたようにクラスメイト数人が立っていた。
「おう。ちゃんと来たみたいじゃねぇか」
「……」
.
「…い、っ!!」
その人に壁に打ち付けられるようにして座り込む。
「お前、そろそろ自分の価値を考えた方がいいんじゃねえの。例えば…自分がタヒぬとか?」
ガッハッハと笑いながら胸ぐらを掴まれる。
…そんなこと出来てたらとっくに僕はいない。
…そんなことも出来ないから僕はいるんだよ。
.
腹を思い切り殴られる。
「…っ!!」
僕の口から吐き出されるように血が少し出ている。
「うわ、きったな」
また、壁に打ち付けられる。
その時、チャイムが鳴った。
「…今日はこれくらいにしといてやる」
ぞろぞろと屋上の扉から出ていく様子をただ見つめているだけだ。
…たす、かっ、た…?
明らかに助かってはいない。
けれど、微かな希望に見えたから。
「…僕、いつまでこんなんなんだろ」
小さく呟いた言葉は空に吸い込まれるようにして消えていった。
…次の授業、居なくてもバレないよね
屋上の壁にもたれかかって、はぁ、とため息をついた。
.
キーンカーンカーンコーン
耳障りな程、チャイムはそこら中に響いた。
…そろそろここも危ないのかな
そう思いつつも、足は動かない。
僕はただ晴天の空を見上げているだけだった。
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今度登場させる方の紹介
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明石古也 あかしふるや
1-Aのクラスの男子生徒
長身とほわほわとした性格で女子に人気
その他…???
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あおみどり(プロフ) - mimiさん» コメントありがとうございます!感想嬉しい限りです!!励みにして活動させていただきます…! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 今更で申し訳ない(T-T)完結おめでとうございます!見始めた時は登輝くんの弱々しい、可愛い声を想像していたのですが、だんだん元気になってのちに、kntkさんの声にしか聞こえなくなりました(笑)凄く感動しました!ありがとう (2021年1月3日 22時) (レス) id: f51bfd6fbd (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます!ありがたい言葉嬉しい限りです〜!!番外編、絶対書こうと思ってるので、是非また見てください! (2020年11月13日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - 完結おめでとうございます!!更新されるたびに飛んできてました(笑)shさんとknさんの距離が回を進めるごとにどんどん縮まっていって、尾も白かったです!更新お疲れ様でした!番外編…!可能ならば書いていただきたい!長文失礼しました。 (2020年11月13日 17時) (レス) id: d956bb37b9 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます!今後もあおみどりの小説にお付き合いいただけると嬉しいです!更新頑張ります〜! (2020年10月22日 20時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あおみどり | 作成日時:2020年10月14日 7時