29話 ページ32
sh side
とある日の放課後。
今日も変わらず、登輝と帰ろうと彼を呼ぶ。
「登輝〜」
「！爽くん！」
てけてけと効果音がつきそうな勢いでこちらに駆け寄ってくる登輝は本当に愛くるしい。
すると、
「ねぇ、金城くん！」
クラスメイトの女子が登輝を呼んだ。
「ちょっとこっち来て？」
「え、何…？」
その女子は何も言わずに登輝の腕を掴み外に連れて行く。
俺あの女子嫌いなんだよな…なんて思いながら、登輝が心配なのでついていくことにした。
途中の生徒の混み具合に圧倒されて大変だったけど。
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kn side
急にクラスメイトに連れられ体育館倉庫裏へ。
「な、なに？何か言って…」
「私と付き合って」
「…は…？」
いきなり何を言われたかと思えば、僕に対する告白であった。
…でも今は、ちっとも嬉しくない。
なんだか目が怖いし、圧をかけられているみたい。
それに…爽くん以外だから嫌だ。
だから僕はもちろん、断る。
「ごめんなさい」
「何で」
「え、？」
「何でって言ってるの」
強い目力で睨まれ、中々諦めてくれない。
「だから、お付き合い出来ませんって…」
「は？彼女でもいんの？」
「っ…それは…」
「居ないでしょ？だから私が彼女になってあげる」
「は、？」
イライラが絶骨頂に達した、その時。
何かに後ろから覆い被さるように抱き締められた。
「お前と付き合うなんて、俺が許さねぇ」
その声は、紛れもなく爽くんの声だった。
「は？どういうこと？」
「そのまんまだよ」
「…！」
「散々登輝を無視しておいて、いざ顔を出したらなんだその態度。登輝はお前らの玩具じゃねえんだよ。そんな奴に登輝と付き合う権利はない。」
「…いいのね、そんなこと言って。そういう人だってばら撒いちゃうよ？」
「ああ、上等だ。登輝を守れるなら何だっていいさ」
爽くんがそう言うと、その女子は舌打ちをして逃げていった。
「ありが、と…」
思わず、涙がこぼれてしまって。
それを見た爽くんは、何も言わず、ただ僕を抱き締めてくれていた。
それだけで、どれだけ安心したことか。
「良かった、登輝を守れた」
震える声で、爽くんは呟いた。
「ありがとう、大好きだよ」
僕がそう言った瞬間、唇が重なる。
それは今までにしたものよりも、
とても甘くて、深くて、優しいものだった。
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あおみどり(プロフ) - mimiさん» コメントありがとうございます！感想嬉しい限りです！！励みにして活動させていただきます…！ (2021年1月3日 23時) (
レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 今更で申し訳ない(T-T)完結おめでとうございます！見始めた時は登輝くんの弱々しい、可愛い声を想像していたのですが、だんだん元気になってのちに、kntkさんの声にしか聞こえなくなりました（笑）凄く感動しました！ありがとう (2021年1月3日 22時) (レス) id: f51bfd6fbd (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！ありがたい言葉嬉しい限りです〜！！番外編、絶対書こうと思ってるので、是非また見てください！ (2020年11月13日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - 完結おめでとうございます！！更新されるたびに飛んできてました(笑)shさんとknさんの距離が回を進めるごとにどんどん縮まっていって、尾も白かったです！更新お疲れ様でした！番外編…！可能ならば書いていただきたい！長文失礼しました。 (2020年11月13日 17時) (レス) id: d956bb37b9 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！今後もあおみどりの小説にお付き合いいただけると嬉しいです！更新頑張ります〜！ (2020年10月22日 20時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおみどり | 作成日時：2020年10月14日 7時
