19話 ページ22
sh side
あれから数日。
登輝は俺に対して笑顔をほぼ毎日見せるようになった。
登下校も一緒だし、手を繋いだこともある。
でもやっぱり…
登輝にもっと輝いてほしいというのは変わらなくて。
「…どうしたの？」
「ああ、いや…登輝は、さ…マスク外してみる気とかはない？」
「…」
やばい、つい言ってしまった。
俺隠し事できない奴だからな…ここで仇となったか
しかし登輝は俺の袖をきゅっと掴んで、
「…爽くんがサポートしてくれるなら…」
と、口ごもりながらも答えてくれた。
ちなみに、登輝の素顔は俺と明石しか本当に知らないらしい。
クラスで外すことはまず無いし、体育はいつも見学。
お昼は俺と明石と一緒に屋上で食べている。
…そのせいだろう。
…登輝の手が、少しばかり震えているのは。
「登輝、やっぱり無理しなくていいよ。怖いんでしょ？」
「……」
涙目で、こくりと頷く。
…好きな人を泣かせてしまうとは
.
「あ、登輝、泣いてる…爽がやったの？」
ジトっとした目で明石が見てくる。
「…俺が変な事言ったから」
「あは、そういうことだと思ってたよ。でも…
僕から奪ったんだから、幸せにしてあげてよ。爽」
最後の言葉を耳打ちで言われる。
明石に言われなくたって。
「俺は元々そのつもりだけどな」
「そっか」
「ねぇ…帰らないの？もう日が暮れちゃうよ」
登輝に言われて初めて気がついた。
空はオレンジから紺色に変わりかけていて、街頭の明かりも目立ち始めていた。
俺らは屋上から駆け下りて、手を繋いで学校を出た。
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br side
「______て…」
学校を出る前、何かが聞こえた。
確実に人の声なのはわかる。
でも、なんで？
この学校にはもう僕らしか残っていなかったはず…
でも、このままいる訳にはいかない。
僕はそう思い、声のする方へと走り出した。
やっと辿り着いたのは…
「体育館…倉庫…」
鍵が掛かっていて僕の力では到底開かないだろう。
「そこに誰かいるの！？」
扉を叩きながら叫んでみる。
すると、
「…だ、だれ…？」
「なに、こわい…」
中から2人の声が聞こえた。
…閉じ込められているのか
チャリン
「…！」
バッと音のした方を見る。
「…バレたか」
鍵らしきものを持った金髪の彼が、
僕を見て敵対心を滲ませていた。
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あおみどり(プロフ) - mimiさん» コメントありがとうございます！感想嬉しい限りです！！励みにして活動させていただきます…！ (2021年1月3日 23時) (
レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 今更で申し訳ない(T-T)完結おめでとうございます！見始めた時は登輝くんの弱々しい、可愛い声を想像していたのですが、だんだん元気になってのちに、kntkさんの声にしか聞こえなくなりました（笑）凄く感動しました！ありがとう (2021年1月3日 22時) (レス) id: f51bfd6fbd (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！ありがたい言葉嬉しい限りです〜！！番外編、絶対書こうと思ってるので、是非また見てください！ (2020年11月13日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - 完結おめでとうございます！！更新されるたびに飛んできてました(笑)shさんとknさんの距離が回を進めるごとにどんどん縮まっていって、尾も白かったです！更新お疲れ様でした！番外編…！可能ならば書いていただきたい！長文失礼しました。 (2020年11月13日 17時) (レス) id: d956bb37b9 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！今後もあおみどりの小説にお付き合いいただけると嬉しいです！更新頑張ります〜！ (2020年10月22日 20時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおみどり | 作成日時：2020年10月14日 7時
