15話 ページ18
sh side
あの日から、登輝との距離はぐんと縮まった気がする。
話にも応じてくれて、少しずつ会話も続くようになった。
…登輝の素顔を知ってるのは、俺と明石だけらしい。
特別感の滲むその事実に頬が緩む。
ここまでくれば前髪も短くしてほしいな…
最終的にはマスクも外して過ごして貰いたい。
そんなにすぐには出来ないけれど…
…いや、やる
「登輝！」
「な、何？」
「今日この後空いてる？」
「空いてるよ…？」
「じゃ、行きたいところあるから行こ」
「え、っちょ…！」
登輝の手を引いて学校を出る。
家まで送り、俺もダッシュで家に帰る。
準備も整えて…これでいいだろう
登輝の家に向かう。
インターホンを押すと、すぐに登輝は出て来た。
「ど、どうしたの…急に…」
「登輝をイメチェンしようと思って！さ、行こ」
「イメチェン…？」
手を引いて歩き出す。
既に予約はしてあるし…大丈夫だろう
「何するの…？」
「登輝、いつも前髪長いだろ？少し切って綺麗にしようと思ったんだけど」
「どして…」
「登輝に、もっと輝いて生きて欲しいから」
「…」
ニコリと笑いかける。
しばらく沈黙が続いた後、
「…ありがとう」
と、少し微笑んで言った。
「…っ！」
やばい、俺顔赤いかも
出来るだけ目を合わさずに歩く。
…そういえば
ずっと手を引いていたから必然的に手を繋いでいたことになる。
…こんな機会、滅多にないしいいか
ずんずんと先に進むと、目当ての場所に着いた。
「ここだよ」
「びよう、いん…初めて、だ…」
驚く登輝を連れて中に入る。
『いらっしゃいませー…あ、鮫島さんでしたか！今日はどうされました？』
「彼の髪型をバッチリかっこよく変えちゃって下さい！」
「ぇ、」
『了解しました！お兄さんは…それで大丈夫？』
登輝は少し考える素振りをして、
「……はい…！」
と、何かを決意したように言った。
顔馴染みの美容師さんに応対してもらい、登輝は椅子にぎこちなく座る。
『どんな髪型がいいとかありますか？』
「…ぇ…どんな…」
『んー…じゃあこちら側でやっちゃっていいですかね？』
「…似合う…やつで…」
『かしこまりました〜』
やっぱりあの美容師さんで正解かもな…
手に迷いが無いし、登輝も心なしか楽しそうだ。
これは出来上がりが楽しみだな…
鏡に映った登輝の姿を見て、ニコリと微笑んだ。
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あおみどり(プロフ) - mimiさん» コメントありがとうございます！感想嬉しい限りです！！励みにして活動させていただきます…！ (2021年1月3日 23時) (
レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 今更で申し訳ない(T-T)完結おめでとうございます！見始めた時は登輝くんの弱々しい、可愛い声を想像していたのですが、だんだん元気になってのちに、kntkさんの声にしか聞こえなくなりました（笑）凄く感動しました！ありがとう (2021年1月3日 22時) (レス) id: f51bfd6fbd (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！ありがたい言葉嬉しい限りです〜！！番外編、絶対書こうと思ってるので、是非また見てください！ (2020年11月13日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - 完結おめでとうございます！！更新されるたびに飛んできてました(笑)shさんとknさんの距離が回を進めるごとにどんどん縮まっていって、尾も白かったです！更新お疲れ様でした！番外編…！可能ならば書いていただきたい！長文失礼しました。 (2020年11月13日 17時) (レス) id: d956bb37b9 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！今後もあおみどりの小説にお付き合いいただけると嬉しいです！更新頑張ります〜！ (2020年10月22日 20時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおみどり | 作成日時：2020年10月14日 7時
