14話 ページ16
sh side
「おはよ、登輝」
「…ぉ、おはよ…」
「今日の昼一緒に屋上で食べようぜ」
「ぇ…、？」
「約束な！」
半ば無理矢理だったけれど、予約はできた。
本当にどこで何してるか分からないからな…
…初めて一緒に食べるのか
それだけでも何故か、嬉しく思えた。
____________
昼休み。
登輝の姿がもうない。
先に屋上に行ったのかな、と思い俺は駆け足で階段を上る。
ガチャ、と扉を開けると、登輝の姿が見えた。
弁当を開けずに待ってくれていたらしい。
「ごめん、待っててくれたんだ…」
「ぅ、うん…」
「じゃあ、食べよっか」
ニコッと笑いかけて、隣に座る。
俺は購買で買ったパンの袋を開けて、かぶりつく。
…だけれど
登輝は中々弁当の蓋を開ける気配はない。
「…食べないのか？」
「…」
俺の疑問に、登輝はふるふると首を横に振る。
「かぉ…みら、れ…たく、な、い…」
小さく小さく、登輝は吐き出すように呟いた。
「どうして…？」
「…じぶ、んのか、お、きらい、だから…」
「…なんだ、そういうことか」
「ぇ、？」
「俺は、登輝の姿が見たくてここに誘ったんだよ。登輝が自分の顔嫌いでも、俺は好きになるかもしれないだろ？それに…これから仲良くする身として、登輝のことは知っておきたい」
つらつらと本性を隠して言う。
本当は…いや、やめておこう
俺の言葉に納得したのだろうか、登輝は、
「ひか、ないでね…」
と小声で言いながらマスクに手をかけた。
ふわりと風が包み込む。
登輝の小さな顔が見えた。
「…かわい」
あ、やべ声に出ちゃった
「？！、ぇ、ぁ…あんま、り…みないで…」
俺の声に驚いたのか、登輝は顔を背ける。
「待って」
登輝の顔をくい、とこちらに向けて手で固定する。
「…全然嫌いになんてならないよ。もっと自信持って」
小顔な輪郭。
小さな唇。
小さな鼻。
白い肌。
澄んだ瞳。
…なんだろう。
このまま抱きしめてやりたいくらい華奢な姿に、心が惹かれていく。
「あ、やべ、お昼食べなきゃ」
「…そ、そうだ、ね」
食べかけのパンに手を伸ばし、頬張る。
登輝も弁当をその小さな口で食べていく。
…てか、うまそ
「…それ、登輝が作ったのか？」
「、ぁ、うん」
「すげ、うまそう」
「…食べる…？」
思いがけない登輝の言葉に驚きながらも、うん、と頷く。
こんなに楽しい昼休みは初めてだ。
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あおみどり(プロフ) - mimiさん» コメントありがとうございます！感想嬉しい限りです！！励みにして活動させていただきます…！ (2021年1月3日 23時) (
レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 今更で申し訳ない(T-T)完結おめでとうございます！見始めた時は登輝くんの弱々しい、可愛い声を想像していたのですが、だんだん元気になってのちに、kntkさんの声にしか聞こえなくなりました（笑）凄く感動しました！ありがとう (2021年1月3日 22時) (レス) id: f51bfd6fbd (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！ありがたい言葉嬉しい限りです〜！！番外編、絶対書こうと思ってるので、是非また見てください！ (2020年11月13日 23時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
アイ - 完結おめでとうございます！！更新されるたびに飛んできてました(笑)shさんとknさんの距離が回を進めるごとにどんどん縮まっていって、尾も白かったです！更新お疲れ様でした！番外編…！可能ならば書いていただきたい！長文失礼しました。 (2020年11月13日 17時) (レス) id: d956bb37b9 (このIDを非表示/違反報告)
あおみどり(プロフ) - アイさん» コメントありがとうございます！今後もあおみどりの小説にお付き合いいただけると嬉しいです！更新頑張ります〜！ (2020年10月22日 20時) (レス) id: 65d1867b2a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおみどり | 作成日時：2020年10月14日 7時
