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受肉 ページ6

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学校の敷居を跨いだ後のことは、正直あんまりよく覚えていない。

とにかく私は「何も見えないフリ」を続けながら、音の大きくなる方へとがむしゃらに走り続けた。






『悠仁ッ……!!』






急な階段を一気に駆け登り、着いた先は屋上へ続く扉。


そして衝撃音はその向こうで、一層派手に響き渡っている。

微かながら苦しむような声も聞こえてきて、いてもたってもいられなくなった私は、下唇を強く噛みながら思い切り扉を押しくぐった。




……そして私は、目の前に広がった光景に絶句する。






「ッ!……おいアンタッ、何で来たッ!!」






不意に投げかけられた叫びにも近い声に、私はふと視線を揺らす。

そこには頭から血を流し、ボロボロな姿で座り込んだ黒髪の青年の姿があった。


状況が掴めない。だって彼は先程まで、病院で至って普通に悠仁と話していた。


それに、今私の目の前で体をくねらせ動く青色の物体は一体何者で……なぜ悠仁は今、そいつに握り潰されそうになっているのか。






「あるじゃねえか、全員助かる方法ッ。俺に呪力があれば良いんだろ!伏黒ッ!!」


「ッは、やめろっ……やめろォッ!!!」






人知を超えたこの惨劇を、非力な私一人がどうすることなんてできなかったんだ。



悠仁は声を張り上げながら叫ぶと、空に投げた何かを大きな口を開けてゴクリと飲み込んだ。

それを見ていた黒髪の青年の顔色が、みるみるうちに青ざめていくのがわかる。



……酷い胸騒ぎが、吐き気と共に私の体を襲った。






_____ズブシャッ…!!




そんな気色悪い音と共に、悠仁を握り締めていた青色の物体の腕が吹き飛ぶ。


そうして解放された悠仁めがけ、再びその青色が迫り来た時、悠仁が無言のまま腕を振り上げる共に、肉の裂かれるような鈍い音があたりの静けさを巻き込んだ。






「……ケヒッ」






月明かりに照らされて映し出されたのは、私の知っている悠仁ではない。


鋭く伸びた紫色の爪に、身体のあちこちに浮かび上がった模様。


そして、目の下に開眼した二対の赤い瞳。






『悠仁じゃ、ない……』






まるでこの世の全てをケラケラと嘲笑うような弟の姿は、もはや人間でも何でも無い。



______人に仇なす「化け物」そのものだった。







·

化け物→←姉



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いか焼き - 好きです!!! 最高すぎます、、、応援してます!今から2を読んできます!楽しみすぎる…! (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 宿儺の声が頭の中で聞こえたらワイある意味死んでう( ´ཫ`)って思いながら見ました←めっちゃ面白いです!!応援してます( ˃ ˂ ) (2022年1月25日 0時) (レス) @page31 id: dce21dc0b1 (このIDを非表示/違反報告)
古椎エゴ(プロフ) - Tomorrowさん» ご指摘ありがとうございます。変換ミスしていたみたいです!知らせていただき助かりました! (2022年1月24日 17時) (レス) id: c3c7b307dc (このIDを非表示/違反報告)
Tomorrow(プロフ) - コメント失礼します。とても面白くて何度も読み返してます!ところでなんですけど、祥子ではなく硝子だった気がします!間違えてたら申し訳ないです! (2022年1月24日 17時) (レス) @page30 id: 81fe567fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 面白いです!宿儺推しなのでこの話はとても好きです!がんばって書いてくださいね!応援しています! (2022年1月23日 23時) (レス) id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月22日 17時

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