特別 ページ48
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「そういうこと。理解が早くて助かるよ」
五条先生はそう言うと、私の頭をその大きな手のひらでくしゃくしゃと撫でる。
彼お得意の子供扱いには、まだ少しだけ慣れないしどこかむず痒い。
「君はまだまだ未熟だ。だからこそ、他人より何倍も伸び代がある」
『でも私にはまだ、術式は使えないんですよね』
「そうだね。……それに、今後必ず使えるようになるという保証もない」
術式は元々生まれながらにして体に刻まれている物なのだと先生は言った。
だからこそ、呪術師という職業の大部分が才能で評価される。
悠仁も私も、「両面宿儺」という存在を架け橋に呪力を授かっただけで、術式を持ちえて生まれたわけではない。
これから宿儺の力が吉と凶のどちらに転ぶかは、先に行かねば分からないこと……言わば運試しみたいなものだ。
「どの道を選んでも、君がこれまでのように幸せに生きられる選択肢はどこにも無い。それでも続けるかい？呪術師を」
先生の言葉を聞き終わると、ビルの中から騒ぎ立てるような音が聞こえてくることに気が付いた。
きっと二人が呪いと対峙しているのだろう。悠仁は呪具を持ち、野薔薇ちゃんは自身の術式を使い呪いを祓っている。
体力も力量も、私は二人の足元に微塵も及ばないはずだ。
……それでも私は、私のすべきことを見付けたんだ。誰に何を言われようと、自分に嘘はつかないと決めた。
『……もちろん、やりますよ。私が私らしく生きるために、どんな不幸にも立ち向かってみせます』
私はしっかりと前を見据えながら、五条先生に向かい言い返す。
死ぬことが怖いわけではない。それに、私に付きまとう理不尽にはうんざりしている。
それでもこの先、私は生きているだけでそんなしがらみに地獄へと引きずり込まれていくだろう。
そう考えれば、早い段階で自ら堕ちようが変わらない。
……だからこそ私は、死に様を自ら選ぶことこそに意味があると思うんだ。
「ははっ、良いね。やっぱり、君もちゃんとイカれてる」
目の前に映る現実は、紛れのない私だけの人生。
誰のために死のうが、誰のために生きようが私の勝手だ。
ましてや権力を振りかざす傲慢な奴らにも、私の中で高らかにこちらを嘲笑うコイツにも、この体をくれてやるものか。
私の信念は、既に固く結ばれているのだから。
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いか焼き - 好きです！！！ 最高すぎます、、、応援してます！今から2を読んできます！楽しみすぎる…！ (2022年7月4日 2時) (
レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 宿儺の声が頭の中で聞こえたらワイある意味死んでう( ´ཫ`)って思いながら見ました←めっちゃ面白いです！！応援してます( ˃ ˂ ) (2022年1月25日 0時) (レス) @page31 id: dce21dc0b1 (このIDを非表示/違反報告)
古椎エゴ(プロフ) - Tomorrowさん» ご指摘ありがとうございます。変換ミスしていたみたいです！知らせていただき助かりました！ (2022年1月24日 17時) (レス) id: c3c7b307dc (このIDを非表示/違反報告)
Tomorrow(プロフ) - コメント失礼します。とても面白くて何度も読み返してます！ところでなんですけど、祥子ではなく硝子だった気がします！間違えてたら申し訳ないです！ (2022年1月24日 17時) (レス) @page30 id: 81fe567fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 面白いです!宿儺推しなのでこの話はとても好きです!がんばって書いてくださいね!応援しています! (2022年1月23日 23時) (レス) id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：瀛 | 作成日時：2022年1月22日 17時
