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悪い大人 ページ43

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『……やっぱり、誰かを頼って生きていくことって自分の人生を破滅に向かわせると思うんです。早いところ自立しよ』


「いやごめんって。そんなに思い詰めることなくない?結果オーライだったわけだし」






東京の街並みを歩きながら、私は隣を歩む五条先生に言う。


彼の言う通り、結果として野薔薇ちゃんとは仲良くできそうなのでそこは良かったと思っている。

しかし、「他人を頼ることを覚えろ」と先に教師らしい一言を吐いたのはそっちだ。






『人との信頼関係は、こうやって終わりを迎えるんですね』


「先生は、まだ始まったばかりだと思ってるよ……」






わざとらしく肩を落として言った先生に向け、私は冷めた視線を送る。


そもそも昨日から思っていたけれど、この人の説明不足含めた諸々の態度からは責任感が一切感じられない。

先生が強くて凄い人というのは十二分に理解できたのだが、敬うまでに必要な時間は軽くその数十倍はかかると思う。






「て言うか、Aさんがコイツと姉弟だなんて驚いたわ。全然似てないし!」


「失礼だなあ!似てるだろッ、髪の色とか!」


「髪色だけでしょ!Aさんはアンタと違って目も大きいし、肌ツヤも良いし、スタイルも良い。やっぱり似てないわ!」


「男と女なんだからスタイル違うのは当たり前だろ!?」






悠仁と野薔薇ちゃんの間で繰り広げられるよく分からない論争の中、私は先程までの景色とは少し変わった街並みをぼんやりと眺めていた。


現在私達がどこに向かっているのかというと、その行先は「六本木」。

五条先生が私を含めたお上り三人組を“東京観光”に連れて行ってくれるということで、悠仁と野薔薇ちゃんのテンションはここぞとばかりに上がっている。


……とは言え、この人の言うことをそのまま鵜呑みにするのはあまり良くないと思う。

現に今、私達は六本木から少し外れた場所に向かわされている気がする。


そしてそれに気が付いているのは、たぶん私と伏黒くんだけ。






『……私、どうなっても知りませんからね』


「大丈夫!帰りに美味しいもの奢ってあげるから」


『飴と鞭の差……』







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いか焼き - 好きです!!! 最高すぎます、、、応援してます!今から2を読んできます!楽しみすぎる…! (2022年7月4日 2時) (レス) @page50 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 宿儺の声が頭の中で聞こえたらワイある意味死んでう( ´ཫ`)って思いながら見ました←めっちゃ面白いです!!応援してます( ˃ ˂ ) (2022年1月25日 0時) (レス) @page31 id: dce21dc0b1 (このIDを非表示/違反報告)
古椎エゴ(プロフ) - Tomorrowさん» ご指摘ありがとうございます。変換ミスしていたみたいです!知らせていただき助かりました! (2022年1月24日 17時) (レス) id: c3c7b307dc (このIDを非表示/違反報告)
Tomorrow(プロフ) - コメント失礼します。とても面白くて何度も読み返してます!ところでなんですけど、祥子ではなく硝子だった気がします!間違えてたら申し訳ないです! (2022年1月24日 17時) (レス) @page30 id: 81fe567fc7 (このIDを非表示/違反報告)
ミーコ(プロフ) - 面白いです!宿儺推しなのでこの話はとても好きです!がんばって書いてくださいね!応援しています! (2022年1月23日 23時) (レス) id: b974f3c01e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月22日 17時

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