[BL]普通に生活していたらSな先輩に弱みを握られてしまった。

第二十七話 ページ30

朝、まだ、少し空が淡い青色の頃、俺は起きた。


ただえさえ朝に弱い俺がこの時間に起きれているわけない。


あの人に会うため。


先輩に会って、言わなきゃ。


『好きだ』と。


もう俺は確信した。


だから、俺がされたみたいに先輩にも朝、家に行ってみれば会えるのでは。


俺ん家から先輩の家までは20分もかからない。


だから、いつもより40分早く出れば確実に先輩に会えるはず。


そう思った俺は、生き生きと家を出て、先輩の家についた。


…待てよ。


ピンポン押しても先輩に居留守使われたら駄目だ。


少なからずあと10分以内に先輩は家を出るだろうから、家の前で待機してよう。


端から見たら狂人だけど。


いつもならゲーム出来るな、と思う時間すら、先輩のため、と思えば苦ではない。


もうここまで心酔してるんだな俺。


がちゃり、と扉の開く音がして、先輩が家から出てくる。


「うぇ!?な、なんでAくんが？って、君は好きな人のとこに行けよ…ｯ。」


最後は捻り出した様に聞こえる。


朝なのに軽く俺を避けようとする先輩を捕まえ、正面を向かせる。


『ええ、好きな人のとこに行ってますよ、先輩。俺が好きなのは先輩ですから。』


「いや、流石にその冗談は良くないよ？」


『嘘じゃないですから！』


こんな口論を朝っぱらから続けること5分。


『あーもうｯ！証明すれば良いんでしょう!?』


もうやけくそになった俺は無理矢理先輩の唇に俺の唇を押し付けた。

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