ミツの推測 ページ7
さすがというか、なんと言うか、オレより長く生きて、それだけ経験値がある分、ミツの指摘は、的確だった。
「普通の女の子だったら、ボチボチ結婚とか意識するお年頃なんじゃないの?」
「……確かに。」
ツアーが始まる前に会った時、友達の結婚式の話、してなかった?
オレ、ちゃんと、聞いてた?
……ダメだ。
全然、思い出せない……。
「……そういうことなの?」
「無くはないだろ。」
サラリと言い切られると、もう、そうとしか思えなくて、やっぱり、あの日、カノジョを追いかけなかったことが正解だったと思えた。
「無理だったんだよ……。
オレ達みたいな仕事する男には、付き合えない子だったんだよ。
……それだけの事。」
こんな時、いつも、同じ世界に生きているのに、別の生き物みたいな気分になる。
何も違わないのに……
ミツだって、そうじゃん。
彼女、ずっと、待たせてるじゃん。
言おうと思って、でも、やめた。
だって、ミツの彼女は、何も言わず、ただ、待っていてくれてるんだから。
オレとは、違う。
「まぁさ、いいんじゃね?」
別れた事実よりも、指摘された事と、ミツとオレとの違いに、落ち込みかけた肩をオレより小さな手が軽く叩いた。
「しばらくは、遊んじゃえば?」
「はぁ?」
「ンフフフ いいんじゃね?恋愛とは、違う関係とーかーもー。」
ミツの中の小さなオッサンが顔を出して、ニヤニヤオレを見てくるから、『何だよ、それ。』って、一気にビールを飲み干した。
「ま、色々ありますよ?ンフ」
更けていく夜と、徐々に秋に向かう空気が、長い夜をさらに長くする。
「とりあえず、オレ、落ち込んでるから、奢ってね。」
「それとこれは、別だわ。」
付け入って、弟の顔してミツにねだれば、何だかんだ言って、結局、奢ってくれるから、オレは、やっぱり、ミツについて行こうって思うんだ。
850人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
植尾あい(プロフ) - ノンさん» はじめまして。キミ声、何度も読んでもらえたなんて嬉しいです。ニカ中毒だなんて!光栄です!私の言葉、気に入ってもらえましたか?よかった!これからも、のんびりですがキミ恋もよろしくお願いします(*^^*) (2017年4月25日 22時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
ノン - 初めてコメントさせてもらいます。キミ声にハマって、何度も読ませてもらって、何度も涙して、ニカ中毒になりました。(笑)ニカsideも楽しみに読ませてもらっています。楽しみがまた増えました。ありがとうございます。あいさんの言葉の表現、大好きです。 (2017年4月23日 23時) (レス) id: d6afd85c10 (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - ナナさん» 実は、見つけてたんです(ノ∀`*)ンフフ♪ なんか、こういううっかりしてそうじゃない?(笑)まだまだ、距離を置いて慎重なニカが、この距離をどうしていくのか、楽しみにしていて下さい!バンザイ! (2017年3月29日 17時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
植尾あい(プロフ) - きななさん» バンザーイ!二階堂くんにバンザーイ! (2017年3月29日 17時) (レス) id: 2cc18cecc9 (このIDを非表示/違反報告)
ナナ(プロフ) - カギ見つけてたんだ!探したはずのポッケに入ってたとか本当にやってそうだなー(笑)ってニヤニヤしちゃった(°▽°)いつから「ニカ」が「高嗣」として接して行くのかとか、楽しみで仕方ないっ!ばんざーーーーい!! (2017年3月27日 10時) (レス) id: 6cd6e0891b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:植尾あい | 作成日時:2016年12月25日 22時