すべてはキミに恋するため

どうしようもない事 ページ4

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高嗣へ



突然、ごめんね。


ずっと、高嗣と同じ夢を見ていたはずなのに、もう、これ以上、高嗣の傍にいられそうもないの。


全部、私のワガママ。



ーーー




ワガママなんて知ってるよ。


そのワガママにどれだけ付き合ったと思ってるんだよ……。


情けないけど、便箋を持つ手が震えた。




ーーー



大好きだったよ。



今だって、好きだよ。



でも、どんどん遠くなっていく高嗣に、不安の方が大きくなっていくの。


ひとりになると、辛くて、押しつぶされそうになるの。



ーーー




濡れた髪が冷たくなっていく。
だいぶ伸びた襟足の髪が、首筋に触れて、熱を奪う。



大好きだったよ。



既に過去形になった想いと、オレではない『ニカ』への想いに、やり場のない後悔が押し寄せる。



どうすればよかった？


どこで間違った？



ごちゃごちゃに絡まった記憶の糸は、ついさっき交わしたはずの会話さえ思い出せず、グッと胸を締め付ける。




ーーー



やっぱり、私は、ファンの距離でいた方が、幸せなのかもしれない。



だから、ごめんね。


もう、一緒に、いられない。



ーーー




確かに、出会った時は、アイドルとファンの関係だったかもしれない。でも、それは、出会ったタイミングがそうさせただけだよ。



もし、オレが、アイドルじゃなかったら、好きにならなかったってことなの？


アイドルのオレが好きだったの？



それとも、



アイドルだからダメになったの？



どうにもならない事実を理由にされたら、もう、どんなに足掻いたって、カノジョが戻ってこないことは明らかで、便箋を持った手をゆっくりと下ろした。





ーーー





バイバイ


いっぱい幸せな夢、ありがとう。





チカ


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それは、突然の別れ。





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