二の蛇 ページ3
「ああやはり!!光は生で感じるに限るな!!」
「(最悪だ!最悪の万が一が出た!
特級呪物が受肉しやがった!!)」
「呪霊の肉などつまらん!
人は!女はどこだ!!」
ぐるりとあたりを見回した虎杖──否、宿儺は、何かに気付いたようにぴくりと反応し、嬉しそうに笑った。
「いい時代になったのだな。
女も子供も、蛆のように湧いている。
素晴らしい、壓殺だ!」
伏黒は、ハラハラしながらつい先程降り立った少女を見つめる。その包帯で目隠しをした少女は、宿儺を気にすること無く、まだピクピクと僅かに動いている呪霊の元へ歩いていき────
目の包帯をほんの少し手で掴んでずらし、次の瞬間、手にしていた大きな薙刀で呪霊を真っ二つに切断した。
惚れ惚れするほど見事な薙刀捌きで、その動作には一瞬の躊躇いもない。
そして、また包帯を戻した顔を宿儺に向ける。
その頃、宿儺は虎杖悠仁と争っている真っ最中だった。
まず、何故か宿儺が自身の首をガッと掴む。
「!!」
それを見て、驚いたように体を揺らす伏黒。
「あ?」
「人の体で何してんだよ、返せ」
「オマエ、なんで動ける?」
「?いや、俺の体だし。
あしゅら男爵みたいになってない?」
その珍妙な、本当の一人二役の劇を先程の目隠し少女───Aは、混乱したような、興味津々といったような様子で見ていた。
「人間?宿儺?
宿儺が出てるけど人間の自我はある…斬る?ううん、駄目?」
ぶつぶつと呟き小首を傾げる姿は、大人びた容姿に反して幼女のよう。
そこで、回復した伏黒が口を開いた。
「動くな」
不思議そうに振り向いた悠仁に向かって、体に影を纏わりつかせたまま告げる。
「オマエはもう人間じゃない」
「は?」
「呪術規定に基づき、虎杖悠仁、オマエを──」
呪いとして
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作者名:マザーグース | 作者ホームページ:
作成日時:2020年12月2日 14時