二十五話 ページ25
離れていく体温を名残惜しく思いながら、Aが促すように、椅子に腰掛けた。
Aの後ろには、酷い顔をしたジョジョ。
「…ディオ。」
咎めるわけでもなく、責めるわけでもない、あの庭で話していたときと同じ声音で、話を促した。
多少心が痛むが、ここで正直に言うわけにはいかない。
「僕は罪を償うつもりで、ここへ帰ってきたんだ。」
は、と、息を飲む声が聞こえる。
「逃げようと思えばどこにだって行けたんだ。だけど……いま、言うべきじゃあないんだろうけど…君と堂々とお付き合いをして、結婚したかった。」
ここまで言っても、彼女の表情は崩れない。険しくなることも、頬を染めることもない。
「だから、罪を償う。今まで僕がやって来たことは、すべて間違っていたんだ。全部、わかった。最後とは言わないけれど、君に会えて良かった……」
ゆっくりと手を伸ばし、Aに触れようとすれば、机の上にあった蝋燭が頬を掠めた。
「Aちゃん！騙されちゃあいけねえッ！！」
バカデカい声を響かせながら、Aを引っ張る男。
「スピードワゴンさん、っ、何するんですか！私はディオとっ…！」
「もう時間切れだ…アイツはとっくに…いや、生まれつきのゲロ以下の悪党だ！」
ソレを聞いたAは目の色を変える。あの日館で俺に怒鳴ったように、それ以上に、激昂する。
「そんな事無いッ！！ディオは、とても優しい人です！少し血迷うことだって、ネジ曲がることだって、道を踏み外すことだってあります！でも、ソレに気づいて、償うと言ったんですッ！！」
ぜぇ、ぜぇ、と、肩を上下させながら、スピードワゴンと呼ばれた男はAの肩を掴んで、言う。
「見てみろッ！！アンタはわかるハズだ！あの目は、あの目はッ！！」
"アンタの親父さんと同じ目だ"
スピードワゴンがそう言うと、Aは大きく目を、溢れんばかりに見開くと、ふら、ふら、と、二、三歩後ずさると、そのまま膝から崩れるように倒れた。
「A……？」
ジョナサンの不思議そうで心配している声に、スピードワゴンはただ、一言だけ
「悪いな、Aちゃん。」
と、申し訳なさそうに言った。
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東雲出雲(プロフ) - 罠做さん» ありがとうございます！文章が素敵だなんて(*´ー｀*)続編できましたので、そちらもどうぞ宜しくお願い致しますm(__)m (2015年8月18日 11時) (
レス) id: 64e849f3b1 (このIDを非表示/違反報告)
東雲出雲(プロフ) - ランタンさん» ありがとうございます！続編ができたので、そちらもどうぞ宜しくお願い致しますm(__)m (2015年8月18日 11時) (レス) id: 64e849f3b1 (このIDを非表示/違反報告)
罠做(プロフ) - 続編楽しみにしてます！！文章が素敵で読み易かったです、続き気になりますねo(^▽^)o (2015年8月18日 2時) (レス) id: 1a112de355 (このIDを非表示/違反報告)
ランタン(プロフ) - この話とてもよかったです！続編も頑張ってください！ (2015年8月17日 20時) (レス) id: 751d6d43a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：東雲出雲 | 作成日時：2015年8月15日 11時
