【派生】及ばぬ恋の滝登り2 (ページ14)

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Happy Valentine's Day!〜for My Dad〜ページ14

メアリー｢陽一､ちゃんと買ってきたのよね?｣

陽一｢はい!ワインの方は…｣

メアリー｢安心して､いつも通り用意してあるわ｣

2月14日(バレンタインデー)の夕方､俺はお袋とキッチンで買ってきた物を確認していた｡

この日に買ってくる物といえば…チョコレートやデコレーション用のお菓子くらいだろう｡

俺とお袋は買ってきた物に不備がないか確認し､互いの顔を見る｡

陽一｢楽しみですね!父上は喜んでくださるでしょうか…?｣

メアリー｢きっと大丈夫よ…さぁ､早速始めましょうか｣

そう言って､お袋は早速準備し始める｡

いつもの俺達なら､こうやって料理をするどころか2人きりになることすらあまりない｡

けれど､こういった特別な日には一緒になって色々やったりすることがある｡

普段は息苦しくて仕方がない…いや､今も若干感じてるけど…でも､何だかいつもより気楽でいられる気がする｡

エプロンを着けたり､腕を捲ったりして料理をするお袋なんてそうそう見ないからか…?

…いつも､こんな風に優しい感じの人だったら良いのにな｡

陽一｢溶かし終わりました!｣

メアリー｢ありがとう､そしたらそれはこっちに…｣

〜数時間後〜

スヴェンガリ｢ごめんね､チョコ買ってたら遅くなっちゃって…Happy Valentine's Day｣

申し訳なさそうに言いながら､親父が俺とお袋に高級チョコを差し出す｡

陽一｢ありがとうございます!｣

メアリー｢あら､ありがとう｡実は私達も渡そうと思っていた物があるのよ｣

俺はお袋とアイコンタクトを取って笑うと､冷蔵庫にしまっておいたチョコを持って来る｡

スヴェンガリ｢…!まさか､このトリュフ…｣

メアリー｢陽一と2人で作ったのよ｡食べてみてちょうだい｣

その言葉を聞くと､親父はそっと1つ手に取って食べてみる｡

スヴェンガリ｢…ありがとう｡最高のバレンタインになったよ｣

いつもと変わらない穏やかな笑みを浮かべ､嬉しそうに言う｡

メアリー｢それは良かったわ｡実はこれ､あなたの好きなワインも入れておいたのよ｣

陽一｢2月14日に作られたワインなんです!｣

俺が横から付け足すと､親父は少しだけ目を大きくして笑う｡

普段からクールな人だけど､これは確実に喜んでいるな｡

そう思った俺は､お袋と目線を合わせて笑い合った｡

お袋と楽しく料理できて親父も喜んでくれたし､今日は最高のバレンタインデーだな…