次巻予告へ、アテンション ページ45
家族9人、また仲良くやっていきましょうや。
昭和のアニメはそう言って平和に幕を下ろした。
きっと、仲の悪い家族がついに仲直りをしたという感動のシーンを終えたところだったのだろう。
黒い髪の少年たちが笑顔でこちらを向いて、黒よりも少し色の薄い少女が幸せそうに母親とみられる女性に抱きついていて、それを父親らしき男性は微笑みながら少年たちの頭を撫でていた。
そうしてエンドロールが流れて、家族は平和な生活を手に入れたのだろうか。
全部、夢でした。めでたしめでたし。
平成のアニメはそう言っておどけてみせた。
可愛らしい少年たちに意地の悪そうな笑顔を向けられ、心底嫌そうな顔をしつつも猫を引っ掴む少女。
子供達は暴れきってシワシワになった布団の真ん中に集まっていた。
きっと寝ている間に悪戯をしにきた猫を、少女が代表して捕らえたのだろう。
兄妹揃って同じ布団で寝るとは、仲の良い兄妹だ。
ふと、それを冷めた顔で見ていた少女の後ろに、1人の男性がやってきました。
引き戸から顔を出した、笑顔が特徴的な男性は、少女の名前を呼ぶと口を目一杯に開けて笑いました。
それに気がついた少女も和かに微笑み、歩を進めました。
男性の後ろには更に5人の男性がいて、みんなそっくりの顔をしていました。
みんながみんな微笑み、少女を真ん中にして外へと向かい、仲良く散歩へと出かけて行きました。
それは、主人公にとって今までにないほど幸せな、物語の終わり。
「これからはじまる、昨日の未来」
それはつまり、今日と明日ということでもあった。
この世界は、良い子以外は絶対的に排除されるように造られていた。
悪い子も、駄目な子も、普通の子ですらも。
「6人揃えば、なんでもやれるよ」
そう、6 人 が 揃 え ば 。
あの人たちは、6人でいれば何でもやってしまう人だったのよ。
残りの1人は、必要とされていない。
要らない子ということは、悪い子か駄目な子か、普通の子。
私は元から必要とされていなかったから、良い子になれなかったんだね。
この世に****は、*****。
すなわち、***に****、***だけ。
少しずつ終わっていく物語に、最後のテロップが赤い字で綴られていた。
「よろしくおあがり、要らない子。」
次に始まる物語に、終わりなど存在しない。
続いていく物語は、既に始まりを忘れていた。
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kuu - これいちいち歌の歌詞になってますね、 (2022年1月1日 12時) (レス) @page38 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 面白いです、これからシリアスだったり恋愛がある、が楽しみです (2022年1月1日 10時) (レス) @page1 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高すぎます (2020年9月24日 2時) (レス) id: e43e7b87c6 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE!(心々) - なるべく早く更新してくださいっ……!……お願いです………………本当に楽しみすぎるのですよっ!! (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE!(心々) - なんでこんなに文才があるのですか??これは絶対ず〜っと!過去最高1位ですねっ!!(納得です♪)どんな小説の中でも1番好きですっ!(本当に) 星なんかいも押したいけど、前も押したからムリだ……… (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:竹ノ狐。 | 作成日時:2015年11月26日 1時