17.「眠れないなら、子守唄を。」 ページ19
ここ、どこだろう。
何も考えずに走った先に見えたのは、小さい公園。
ああ、そうだ。
昔、一回だけここの土管に隠れて一人で遊んだな。
懐かしい、公園だ。
もう、疲れた。
適当に、近くにあったブランコに腰掛けた。
隣のブランコは、暇そうに動きを止めている。
「……はあ。なんなの、本当。」
心臓がばくばく、ばくばくとうるさく息をしている。
少しは静かにしてもらいたい。煩すぎるんだ。
「……星、綺麗に出てきてるなあ。…あれがカシオペア、じゃあ南に向かって走ってたってことか。……帰りたく、ないなあ」
丁度視線を上げると、カシオペア座があった。
カシオペアは北の方角に見える星座で、私は今見ている方角と逆の方向から来たので、私は南に向かって走っていたということとなる。
そんなことは半ばどうでも良いんだ。
「……っ、寒。…このまま眠るように居なくなっちゃいたいなあ。…ぐっすり寝て、起きたら赤ちゃんになってて、松野Aじゃない、誰かになってて…。《いい子》に、《要る子》になるの。そして、立派な《いい人》になるんだ。店長さんみたいに。」
私の声は誰にも聞こえてなんかないだろう。
帰り道なんて覚えてないし、帰る気もしない。
ここで寝てしまおうか、とすら思えてきた。
「……もう、疲れた。…よろしくおあがり、要らない子。これからよろしく、要る子。」
瞼が重くなってきた。もう眠いや。
「っ、いた。…Aー！！」
はっと、目が冴えた。
あのお人好しの声がする。
あいつ、どこまでお人好しなんだ。
「……、なに、笑いにでもきたの？」
「うん！！一緒に笑いに来た！」
一緒に？一緒に笑う？？
何を言いだすんだ、この十四松は。
「……、笑うだけの体力無いし、眠いから。放っておいてよ。」
「やだ！！俺とどんぐりと、Aとで帰ろう！！…あっ、あと枯葉！！」
軽快にポケットの中から葉っぱとどんぐりを取り出して、へらっと笑う十四松。
何でどんぐりと枯葉も頭数に入ってんの？
それ、実はどんぐりじゃなくて元はお前の友達だったとかじゃないよね？？
私が声を発せずにいると、急に十四松は深刻そうな顔をした。
そして、一息ついてこういった。
「……あのねA。……んーと、えっと。…、俺と、俺たちと…。…、な、仲直り、してくださいっ！！」
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kuu - これいちいち歌の歌詞になってますね、 (2022年1月1日 12時) (
レス) @page38 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
kuu - 面白いです、これからシリアスだったり恋愛がある、が楽しみです (2022年1月1日 10時) (レス) @page1 id: f964c54957 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 最高すぎます (2020年9月24日 2時) (レス) id: e43e7b87c6 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE！(心々) - なるべく早く更新してくださいっ……！……お願いです………………本当に楽しみすぎるのですよっ！！ (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
偶数LOVE！(心々) - なんでこんなに文才があるのですか？？これは絶対ず〜っと！過去最高1位ですねっ！！(納得です♪)どんな小説の中でも1番好きですっ！(本当に) 星なんかいも押したいけど、前も押したからムリだ……… (2019年9月7日 18時) (レス) id: 01d7da7a06 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：竹ノ狐。 | 作成日時：2015年11月26日 1時
