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93、もう遅い ページ43

なんてバカなんだろう。
なんて情けないんだろう。

今になってやっと自分の気持ちに気付くなんて。




ボロボロ流れる涙は止まりそうもなくて。
そんな私を川島は心配そうに見ていた。



「……栗原、大丈夫?」

そして、ゆっくりと伸びて来た川島の手。


「触らないで…」

私の言葉にビクッと川島がその手を止めた。





やめて。

触らないで。

私には

その手に触れてもらう資格がないんだよ。





「…帰るから」

「栗原!待って…っ!」


呼び止める川島を振り切り、思いっきり走った。



走って。
走って。

玄関を開け乱暴に靴を脱ぎ、階段を駆け上がってベッドで頭から布団を被った。


喉の奥から、叫び声に近い嗚咽が込み上げる。


遅い。
もう遅い。
もう全部遅すぎた。




自分が、恥ずかしかった。


自分の行動。
自分の軽率さ。
すべての罪悪感に押しつぶされそうになりながら。



泣いて。
泣いて。


身体中の水分が全部なくなるんじゃないかと思うほど泣いて


気付けば泣き疲れて眠っていた。

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時

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