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55、サッカーに負けた想い ページ5

長かった夏休みが終わり、校舎に賑やかさが戻ってきた。


「はぁ!? なにそれ!意味わかんないんだけど!!」

お昼時間、久々の再会となった美香の大きな目が、更に大きく見開いた。

「ホントに!? アイツ、サッカーやりたいから別れるっつったの!?」

「美香!声が大きい!」

茜に一喝された美香が声のトーンを落とし、話を続けた。

「え〜それ何か違う理由があるんじゃないの〜?
だって、百歩譲って国体行くとか、プロを目指してるような選手ならわかるよ!? だけど、たかだか高校の部活で、」

「美香!」

「……あ。ごめん」

茜に一喝された美香が、押し黙る。


「ううん、大丈夫」


だって私だって同じことを考えたから。

川島と別れてから毎日考えていたから。


サッカーがやりたいって川島は言ったけど。

別れたい本当の理由はもっと他にあったんじゃないのかな、って。
本当は女子力の高い、同じ学校の女の子を好きになっちゃったんじゃないのかな、って。
私に言いずらかっただけじゃなかったのかな、って。

色々考えてはみたけど、いつも同じ答えにたどり着く。



「結局川島は、私のことをその程度にしか好きじゃなかったってことだよねぇ…」


言いながら枝豆をさやから出し、ポトン、と掌に置いた私を見て


「A……」

茜が眉を下げた。



「…いや、かえって良かったかもよ?
だって高校生だもん!もっとたくさん遊ばなきゃっ!
川島よりカッコいい人なんて、その辺にゴロゴロいるじゃんっ!!ね?ね?」


気付かないうちに雰囲気を重くしていたのかな。

美香が必至に私を慰めようとしてくれてる。


「ん。そうだね。
大丈夫、もっといい男探すから!」



でも、確かなのは

川島は、私と別れたかったんだな、ってこと。


そして


大好きなサッカーより、私のことは好きじゃなかった、ということだ。

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設定タグ:オリジナル , 恋愛 , 青春   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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ユチコ(プロフ) - Blueheartさん» コメントありがとうございます!嬉しい〜( ;∀;)更新頑張ります〜☆ (2018年7月29日 16時) (レス) id: 05c74de8b4 (このIDを非表示/違反報告)
Blueheart - 更新頑張ってください! (2018年7月26日 18時) (レス) id: d757884bbd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユチコ | 作成日時:2018年7月16日 12時

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